第14章 六つ子が気持ちよくなる薬を私が飲まされました 六つ子と私
「や~、今日は楽しいねぇ~いっぱい褒められちゃったよお兄ちゃん!」
結局、上機嫌が治まらないままビールを皆で飲み始めた。
まぁ僕だってさ、あんなに褒められたら悪い気はしないよ?
たまにディスる事言ってきて普段の可愛くない様が見え隠れしてるけど、いつもだったら絶対言わないでしょお前。
って事言われたらやっぱ嬉しいと思っちゃうよねぇ・・・。
あぁ、可哀想とか思いながら結局僕もダメ人間だ。
結局助けるのをやめてしまった。
「今日の姉さん、ほんと素直でいいなぁ~ねぇねぇ、もっともーっと僕の事褒めて欲しいなぁ♪」
「あー、トド松~、可愛いねぇ。お姉さんは末っ子なあざトド松が大好きだよぉ、格好いいし六つ子の中なら一番に童貞卒業できるよねぇ~、私が女だったら抱かれたいって思うもんー」
さっきもどっかで言わなかったこれ?
お前女って事忘れてるよね?!
一応生物学的上は女なハズなんだけど、自分で忘れるか?!
「なぁ、ナス子。何故トド松に膝枕をしているんだ?」
カラ松が面白くなさそうに酒で顔が赤くなったナス子に聞く。
俺達兄弟からも見てかわるように、目の前でナス子はトド松の頭を膝に乗せている。胡坐で。
おかしいって!普通こういう時って女の子は正座で膝枕するもんじゃないのぉ?
って違うでしょ、そうじゃないでしょ、今は何故トド松を何の文句もなく、投げ払うでもなく、膝枕してるのかと問いたいんだけどっ。
「ん~、ナス子姉の膝って肉厚で弾力あって気持ちいいよねぇ~!可愛い女の子相手じゃないのは残念だけど、今日のナス子姉はいつもよりは可愛いよ~、へへっ」
「そーかそーか、肉厚で悪かったなコラ!けどトド松が喜んでくれるなら嬉しいよ~いつも沢山甘えさせてくれてありがとう!私にもいっぱい甘えていいからねっ、あっはっはっはっは」
ダメだ、コイツ。
ビールたったの一杯で悪酔いしやがった。
というかもうヤケクソなのかコレ。
僕らに文句言うでもなく薬の効果に柔軟しようとして行動してるように見えるんだけど?
そんなナス子は膝に乗るトド松の頭を撫でている。
ドライモンスターめ、ちゃっかり生物学的上、女の膝に乗りやがって・・・。