第101章 【逆ハールート:短編】彼らの場合
が、故にやっとゆっくりとお休みタイムを味わえているのだ。
それなのにトド松ときたらダサイダサイと煩く説教をする。
「ナス子姉、ぼくはね……酷い事は言うけどそれは大好きな相手だからこそ言うんだよ? 好きな人を変えられるってすっごい嬉しい事なんだから!」
「…………そ、そういうもんなの?」
ここで出てしまうナス子の悪い癖。
弟松に甘い、そして好きと言われれば嬉しくなってしまい完全に拒否る事が出来ず、喜んでもらえるのならとまで思ってしまう始末。
「そうだよ、現に一松兄さんだって十四松兄さんだって、なんだかんだ言ってたけどさっき一緒に拍手したり歓声上げてたからね?」
「………」
スっと一松と十四松を見ると、二人は肩をビクつかせ目をゆっくりとナス子から逸らす。
なるほど、やはり男にとってムードと言うのは大事なのか。
いや、それは女の方が大事とか聞いた事があるような?
と、いう事は私はコイツらよりも女子力が低いと、そういう事なのだろうか。
「姉さん姉さん、目が猫目になってまっせ! ボクが考える時と一緒!!」
「だってさー、下着一つでそんなに印象変わる? 例えば髪型変えたとか化粧したとかならわかるけど……」
「「「「「「変わるから」」」」」」
「うぐ……そんな皆してハモらなくっても」
言われてたじろぐナス子は六人からの子犬のような瞳の輝きに抗えそうにない。
これはもう行くしかないと言う事だろうか。
「いいじゃんナス子、俺達が好きならサービスしてよぉ! なぁ」
「フーン! 俺も、セクシーorキュートなラヴァーの姿をこのカラ松アイズに収めたいぜぇ」
「今のおばちゃんパンツより年齢相応にもなるしいいんじゃない? 何も毎日履けって言ってる訳じゃないしさ、いや、毎日履いてくれたらそれはそれで……嬉しい、けど、さぁ」
「はぁ、諦めるしかないねナス子……トド松は根に持つと面倒だから」
「確かに!」
「それ一松兄さんだけには言われたくなかったなぁ~~っ」
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