第101章 【逆ハールート:短編】彼らの場合
「なるほどねぇ、下着一つでもムードだってやる気だって変わってくるかも」
「でしょ、チョロ松兄さんもわかるよね!!」
「でもダサイは姉さんの代名詞だしなぁー、ボクはそのままでも好きだよ」
「俺も……下着だとかファッションとか関係なくない? そのままでもいいと思うんだけど」
兄弟の中で意見が割れる中、聞きたくなくても聞こえてしまう松会議に、ナス子にとって擁護してくれている十四松と一松はポイントが高い。
「おそ松兄さんはどう思う?」
「えぇ? おれぇ? 俺も別に脱がせちゃえば関係ないって思うけどさ~、まぁ脱がした時に赤でエッロエロの下着身に着けてたらムラムラはいつもより上がるよねぇ」
「やっぱりおそ松兄さんは長男だよぉ、さすが長男はわかってくれると思ったぁ! へへっ」
結局何が言いたいのコイツ。
そんなことを思いながらなんだかんだでゲームが進まない。
ちなみにナス子の下着はちゃんとトド松達が選んでくれたものもちゃんとある。
あるが、職場にそれを身に着けるのも勿体なく思ってしまい、結局はいつものダサファッションに戻ってしまっている。
付き合い立ての頃はまだ頑張った。
喜ぶだろうと思ってそのような下着も一応身に付けはしたが、最後の最後には脱がされて全裸になる。
それならば別に下着なんてなんでもいいじゃんとか言う乙女らしからぬ残念思考がナス子を支配していた。
「だからね、ナス子姉! 買い物に行こう、ぼくとっ」
「や~だね。私はこのままで満足だも~ん」
スタスタとまた目の前に歩いてきたトド松に肩に手を乗せられて真剣な目で見られる。
トド松と買い物と言うと、お洒落で広い店が多い。
だから余計に行きたくないのだ。
後、外に出るのが面倒臭い。
タイミング的に、コイツらがナス子を襲うタイミングなど、なんとなく今ではないと断言できるナス子は、今は六つ子はその気分ではないと理解していた。
たまにイレギュラーな事もあるが、なんとなーく今は平気だと思う。