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【おそ松さん】松野家と年上幼馴染(R18)

第101章 【逆ハールート:短編】彼らの場合



「はは、口閉じると違う人みたい! いつもの笑ってる十四松も好きだよ」

「そお? じゃあいつものボクでいるね!!」

「うんうん」

 隣に座ったまま、優しい風が二人を撫でていく。
 その心地よさに目を瞑って互いに寄りかかって無言の時間が少しできた。

「あのね!! 姉さん」

「うん、なに?」

「お金貸してください!!!」

「急に?!」

 なんの前触れもなくそう言われ、こちらも呆れるどころかビックリした表情になってしまった。
 六つ子は何かと昔からお金を借りに来る事が多いが十四松に至っては少ない部類に入る。

「何に使うの?」

「んーっとね、秘密!」

「……まさかパチンコとか競馬じゃないでしょうね」

 十四松だって賭け事はやる。
 そう思うとダメ長男の顔が脳内に浮かび訝し気に十四松の顔を覗き込む。

「あっははぁ、違うよ。もっとすっごい事に使うんだよ!」

「す、すっごい事? …………詳細は」

「秘密!」

 なんだろう、十四松が相手だとこれ以上聞いてはいけないと言う何かのセンサーがナス子の中で鳴り響く。
 聞いたところで理解出来るかも謎である。

「別にいいけどさ」

「ホントー?! ありがとうございマッスルマッスル! ハッスルハッスル!!」

 これは、金を借りる手口でもなんでもない。
 ただ、なんとなくここは何も聞かず黙って貸してしまった方がいいと思ったナス子の危機回避方法である。
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