第14章 六つ子が気持ちよくなる薬を私が飲まされました 六つ子と私
「フッ、やっと来たかシスター」
姉さんを連れて玄関にいた皆と居間にあがる。
カラ松兄さんがカッコつけて壁にもたれかかって話しかけたけど姉さんは安定のスルー。
「よ、ナス子~!いらっしゃ~ぃ」
おそ松兄さんは上機嫌。
「あ、あの・・・ナス子大丈夫??」
チョロ松兄さんは心配してる。
でもそんな兄さん達も姉さんは無視して空いてる席に座った。
口を押えてれば喋らなくても大丈夫みたい。
「あらナス子ちゃんいらっしゃい、遊びに来てくれたのねぇ~、今お菓子出すからゆっくり息子達を選んで行ってね」
そしてまた母さんのボクらの押し売りが始まる。
さすがに母さんの事は無視出来なかったみたいで姉さんが口を開いた。
「こんばんわ、いつも綺麗で若々しくてニートの親という辛くて大変な境遇を背負っていても、かかんと世の中に立ち向かう母親の鏡のような松代さん!私も娘になりたいくらいです!お邪魔します」
「あー・・・母さん?」
姉さんの言葉におそ松兄さんが母さんの顔を見る。
母さんは少し黙ってたけど、姉さんの両手を掴んでこう言った。
「ナス子ちゃん!!貴方、やっぱり私の事わかってくれてるのねぇ、クソなニートを育てるのって大変で大変で・・・しかもこの子達でしょ?!可愛い所も米粒くらいはあるんだけどぉ・・・とにかく!今日こそウチの松を選んでくれる気になったのね?!」
「「「「「「か、母さーーーーーーーーん!」」」」」」
輝かしい顔で姉さんを見ると、母さんはボクらを見わましてこう言った。
「何してるの、クソニート達、今すぐ二階に行って恋人選抜アピールでもしてきなさい。母さんはDVDでも見るから」
そんな母さんに追われ、ボクらと姉さんは渋々と二階へ上がって行く事にする。
「姉さん、ずっと口押えてて苦しくないの?」
母さんと話した後、また口をずっと押えてる姉さんにボクが心配になって話しかけた。
ボクだってこの作戦止めなかったから共犯なんだけどぉー・・・
「・・・苦しい、鼻呼吸だけは息辛いけど皆の事どれだけ大好きか口に出してしまうし、皆のいい所をもっと喋りたくてうずうずするし・・・解放されたい」
おお、良かったー!やっぱり薬効いてるやー!!
心配とか言っておいて喜んじゃってゴメンね、姉さん!