第100章 【リク作品】【R18】触らぬ神に……(2.3男)
そのようなことは今はどうでもいい。いっそカラ松の喋る訳のわからないイタイカラ松語も大して気にならない。
気にしていては目の前の美味しい料理の数々が心から楽しめなくなってしまう。
「なんでなんだろう……美味しくないものが……ない! 普段食べないような物ばっかりなのに、口に合わないものがないなんて……天才か……」
「お前何でも食べるだろ」
ここにないものはありません、とでも言うように、自信に満ちた表情で訴えてくる料理たち。
もちろん料理に表情などないのでナス子の脳の中だけの出来事であるが。
そうはいっても、箸が止まらないのはナス子だけではない。
カラ松、チョロ松もまた数々の美味しい料理に舌鼓を打っていた……という表現がとても雅なものに感じる程食べに食べていた。
やはり20代の成人男性、食べる量もそれなりだ。
兄弟が多いというのは、食べられる時に食べておく、好きな物は後に残さない人が多いと聞くが、本当にそうなのかもしれない。
ブッフェなのだから急がなくても誰も取りやしないし、お腹がはち切れるまで食べても自由なのだから。
……さすがにリバースするのは勘弁してほしいが。
「これはさ、もちろん出来ないのはわかってて言うんだけど……これ、持ち帰って他の四人にも食べさせてあげたいなぁ」
二人と旅行に来てはいるが、ナス子が付き合っているのは一応六つ子全員だ。カラ松とチョロ松は勿論のこと、他の四人も了承上そういった関係になっている。
ナス子がそう思うのはごく自然なことだと言えるだろう。
「うーん、俺はそうは思わないが……そうだな、戻ったら全部は無理でも、ナス子が作ってやればいいんじゃないか?」
「え?! 無理無理無理無理! 無理だよ、こんなプロが作るような料理私絶対作れないから! そもそもどう味付けしてるかとかもわかんないし!」
「それもそうだな……まぁ、いない奴らのことなど今は気にするなナス子……! 目の前にこんなにイイ男がいるのに他の男の話をするなんてイケないラヴァーだぜぇ……今は俺だけを…………………見てな……!」
「「 ぅぐうッッふ!! 」」