第100章 【リク作品】【R18】触らぬ神に……(2.3男)
「バリエステうけてこよっかなぁ、いってきてもいい?」
「ああ、勿論だ。俺達は二人で風呂にでも入りにいくか? チョロ松」
「そうだね、部屋の露天は夜の楽しみにしておくとして、大浴場もあるみたいだし、行ってみようか」
そうして、ナス子は一人バリエステへ。
カラ松とチョロ松はリゾート内にある浴場へと足を向けた。
* * * * * * * * *
こちらは男子用の大浴場。
日頃行く近所の銭湯とは比べ物にならないほどの広さに、数人の宿泊客が自分達の同じように気持ちよさそうに湯に浸かっている。
大浴場の方が海側だったようで、水平線と風呂の湯の境が曖昧に見える作りになっていて、解放感は抜群。
天気も良く、降り注ぐ日差しが湯に反射して眩しい。
「はー……きもちいー……たまにはいいよね、こういうのも」
「ふっ、そうだな……欲を言えばこういったワンダホーでビューティフォーな場所には、ブラザーではなくラヴァーといたいところだが」
「普通に言ってくれる? そんなことわざわざ言わなくてもお互い様だろうが」
「ふっ……ああ」
「お前最初に ふっ……って言わないと喋り出せない病でも患ってんの?」
銭湯のような大衆浴場と違い、走り回る子供や大声で話す親父の姿も見当たらない。
普段家で両親と野郎六人で暮らしている環境に慣れているせいか、違和感すら感じる。
「そういえばチョロ松、よくアイツらに勘付かれなかったな。俺はいつバレるかと内心気が気がじゃなかった」
「別に隠そうとしてなかったからね。ほら、隠そうとすると逆に怪しまれるってよくあるパターンだろ? 自然にしてるのが一番なんだよ」
「バレたら確実についてくるからな……まぁ、バレたとしてもアイツらに金があったとは思えないが」
「ついてこれなくてもさ、邪魔は出来るでしょ。お前らばっかりいい思いさせてたまるかーみたいな。いともたやすく想像出来るよね」
「あー……出来るな」
カラ松は特に嘘をつくのが上手くない為、チョロ松はカラ松とはまた違った意味で気が気でなかったのだが、四人を出し抜いた今それを言っても仕方がない。
出し抜けた、その事実の方が大事だ。