第100章 【リク作品】【R18】触らぬ神に……(2.3男)
「お金の心配ならしなくて大丈夫だよ。ここ前払いだったからもうお金は払ってあるし。ほらこれ、領収書」
「え? え、ちょっと見せて!」
チョロ松が出した紙を手に取り目を通すと、確かに領収書と書かれている。しっかりと収入印紙も貼られており、間違いなく本物のようだ。
「チョ、チョロ松が払ったの? この金額を?! どうやって?! ニートなのに!」
「まったく反論出来ないのが悔しいところだけどね、にゃーちゃんのライブ行こうと貯めてたお金と、昨日ダメ元で元手を増やそうとパチンコ行ったら近年稀に見る大当たりしちゃってさぁ……いやぁ僕そういうところあるから! 持ってるっていうのかなぁ」
「ま、マジですか……」
「その領収書が僕の偽造じゃない限り本当だよね」
じわじわとチョロ松の言葉が脳に浸透してくると、ふよふよと口元がにやけて頬が上気してくるのが自分でもわかった。
底辺まで下がったテンションが再び急浮上してきて、思わずチョロ松に飛びつく。
「チョロちゃん大好き!! 愛してる!!」
「うわっ! ちょ、ちょっと! なに急に?! いやわかるけどっ、喜び方露骨すぎない?! ったく……現金な奴だな!」
「ぬっふふふふ、今は何を言われても甘んじて受け止めるよお」
「気持ち悪い……っていうか、僕だってたまにはこれくらいのことしてやりたいとか思うだろ……一応、お前の彼氏なんだし……」
「いやそこはにゃーちゃんのスペシャルライブチケット当選したいからっていう動機が最初にあるの知ってるからね?」
抱き付いたままではあるが、すんとした表情でチョロ松を見上げると、バツが悪そうではあるが言っていたことも嘘ではなさそうなので許してあげることにする。
というか、お金のことを気にしなくてよくなった今、本当に大抵のことは許してあげられるような気分だ。
つまらないことを気にしていたら勿体ない。
チョロ松の胸にぐりぐりと顔を擦りつけ、喜びを表現したつもりだったのだが、照れ隠しなのかなんなのか剥がされてしまった。