第14章 六つ子が気持ちよくなる薬を私が飲まされました 六つ子と私
また口を塞ぐナス子と歩を進めだした。
本当はもっと聞きたかったけど、ミケ子もいるし・・・。
まだ今日は終わらないからいいでしょ。
「あ!!!!姉さん見ーーーーーーーーっけ!」
「おぅぶぇふけりゃ!!!!!!!!」
俺の家の近くにつくと、玄関から飛び出てきた十四松がナス子に向かって腹にダイブした。
勿論、ナス子は見事に吹っ飛んだ。
あー、これで俺の時間終わり?
いや、これからこれから。
他の奴らに独占されるのは気に入らないけど、兄弟全員で考えた作戦な訳だし仕方ないよな。
「姉さん姉さん、飲んだ?あれ飲んだっすか?!」
痛みに耐えながら鳩尾を押えて道路に転がりまわるナス子の姿はやっぱり殺虫剤をかけられた昆虫のようだった。
「うわぁ、姉さん虫みたいだねっ」
あ、十四松も同じ事思ってたか、やっぱりそう見えるよねそれ。
「殺す気か十四松ーーーぅ、なんて可愛いダイブなんだ!全力で受け止めてやりたかったのに悔しいよお姉ちゃん!もっと愛の抱擁を私におく・・・・もうこれやだぁああぁぁあ」
つい十四松のダイブで口を開いたナス子がまた変な事言いだしてる。
口は悪いけど、いつもよりちょっとマシ・・・マシなのか、これ?
「姉さん、マジっすか?!じゃぁ、もっかいする??」
言われてナス子は片方で口を押え、十四松に待てのポーズ。
そうだよね、これ口開くと多分死ぬまでダイブされるよ。
テンション上がった十四松相手は大変だから。
下手な事は言わない方が身のため、でも無理だろうな今日は。
そして俺に助けを求めるようにナス子が見てくる。
助けてやる他ないでしょコレ。
じゃないと今日一日耐えられないだろうしね。
「十四松、多分このままだとコイツ死ぬぞ?」
「えー、そうなのぉ?」
「俺が折角連れ出したんだから続きは家の中で、な」
「・・・・・・」
十四松は少し残念そうにした後笑って返事をした。
「うんっ、わかった!」
言うが早いか、ナス子の手を引き家の中へと連れて行く。
俺もゆっくり後を追うように家に入って行った。