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【おそ松さん】松野家と年上幼馴染(R18)

第99章 【リクエスト作品】【R18】【カラ松ルート】イタくも愛しい



 店の外に出て時計を見るとそろそろ帰る時刻である。
 気づけば陽も落ちてきており、少し肌寒い。
 午前中から出かけたと言えど、好きな人と過ごす時間と言うのはなんと早い事だろう。
 購入した服の紙袋をカラ松が持ち、空いている手は繋いでいる。

「休みの日に外出なんてクッソ面倒とか思ってたけど本当に楽しかったぁ! 二人で行きたい所いっぱい出来ちゃった」

「なぁに、これからだって時間はたっぷりあるんだ。ゆっくり堪能して行こうじゃないか」

「だねぇ! ……ぶぇっくしっ!!」

「ナス子、大丈夫か? 大分風も出て冷えてきたな、もっと俺の側に」

 グッと力強く肩を抱かれ、二人の身体がくっつく。
 陽も落ちていて周りも暗く、公園の灯りは街頭のみ。
 だだっ広い公園とは違い、ここは人通りもより少ない。

 ナス子は誰も見ていないし、まぁいいかと思うとされるがままに歩く。
 昼間はあんなに恥ずかしかったのに、彼の優しさと体温が安心感を与えていた。

「何か温かいものでも飲むか? あっちに自販機もあるし。せめてこれくらいは奢らせてくれ」

「え、いいの? じゃあココア飲みたいなぁ、ゴチになりま〜す!」

 きっと今日一日、計画が失敗したカラ松は何も言わないが心の何処かではまだ落ち込んでいるだろう。
 そう思うと、この申し出は素直に受けておくべきだとカラ松におねだりをするナス子。

 おねだりされるとキラキラとした目を早速輝かせる彼を見て口元が緩む。
 まだ付き合っていなかった頃、弟のように思っていたカラ松をこんな時は思い出しクスリと笑ってしまう。

「ああ! 任せてくれ、すぐに買ってくるから、ナス子はそこのベンチにでも座って待っていろよ」

「はいよ〜」

 自販機までは少しだけ距離があり、カラ松の後ろ姿を見送る。
 そんなに走らなくてもいいのに、ちょっと小石に躓いて転びそうになる所を目撃してしまい、また笑いが漏れてしまった。

 ふぅっと息を吐くと、宙に白い靄ができる。
 手を擦って摩擦で手を温めながら、手袋を持ってくれば良かったとも思ったが、直に手を繋ぎたいとも思っていた訳で、自分も乙女な部分がまだあるんだなと思うとニヨニヨが治らない。
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