第99章 【リクエスト作品】【R18】【カラ松ルート】イタくも愛しい
残念ながら、伝票を格好よく持っていきスマートに会計をしようとしたカラ松は財布の中が乏しく、結局会計はいつものようにナス子が済ませる。
少しながらションボリしたカラ松は手を繋いだまま俯き歩き方にも元気がない。
「すまない、今朝確認した時はちゃんとあったんだ……。本当は俺が今日は全部支払う予定だったんだが、くそ、きっとおそ松の仕業だな」
「うん、確実にそうだろうね」
六つ子ミステリー、ちょいちょい財布の金がなくなる。
大半の犯人はダメな傲慢長男だ、しかしその長男に問い詰めると決まってこんなセリフが返ってくる。
「ちょっと借りただけだってぇ〜、倍増やして後で返そうと思ったの!」
と、そんなところで今日も同じ理由だろう。
「ちょっと……殺してくる」
「えええ、それこそウェイトウェイト! 今じゃなくても殺れるからいいでしょ? ね? ね?? デート続けようよカラ松」
「しかしあのダメ長男の所為で俺の計画が」
ムスっとしたような、少し瞳を潤ませたような次男はポケットに手をツッコミ紙をクシャっと握りしめる。
「あ〜……ちょっとそれ貸して?」
「え?! あぁ、ナス子っ」
瞬時にカラ松のポケットに手を突っ込むと、紙を奪い取り返されないようにと後ろを向いてしまう。
「ひひひ、カラ松のする事くらいわかってるよーだ。なになに、公園で愛を囁く……うん、警察と病院レベルで囁いてたね。で、カフェでスイーツを食べさせ合う。細かい!! 場所だけじゃなくて何するかまで書いてたの?! ってかカラ松あんなに余裕そうな笑み浮かべてた癖にそっちももしかして緊張してたんじゃ……」
「う゛……仕方ないじゃないか。生まれてこの方そんな事をレディ、ましてや彼女に外でやった事がなかったんだから!」
突然真っ赤になってしまったカラ松を見て、ナス子はホっと胸を撫で下ろす。