第99章 【リクエスト作品】【R18】【カラ松ルート】イタくも愛しい
「あ、あはははは……」
「顔が真っ赤だ」
「そ、うかな?暖房が効いてるんだよっ。きっと多分絶対」
「多分と絶対は真逆だが?……フ、今更恥ずかしがる間柄でもないだろうに」
ニヤァと顔を覗かれて、不覚にも心臓が脈打つ。
「それに……もっと凄い事をいつもはしているだろう?」
「……だっ、黙れカラ松!!えーい、寄越せっ」
「あっ」
照れ隠しにカラ松のザッハトルテにフォークを指し、結構な量を取ってしまったが、テンパっているナス子はそんなものに構っている暇もなく勝手に奪い自分のフォークでそれを食べる。
「ん!!甘すぎなくて美味しい」
「半分持っていかれたな、食い意地はないよりあった方がいいが」
「すみません〜! カラ松もほら、私のもっと食べていいから、ね?!」
家の中では緊張も何もないのに、外に出るとこうなるのかとまだ脈がおさまらない。
それに先程のクソ松とは違い急にマトモになるもんだから余計に身構えてしまった。
「漫画の世界やん!」
「え……」
「あ、なんでもない。こっちの台詞だから気にしないで、あははは」
「? そうか……それよりどうだ、この店は。スイーツは美味いと言っていたが気に入ったかいハニー?」
「この場でハニーって言わないで! まぁ、カラちゅんにしては珍しいお店知ってたよね。可愛い感じのお店だし女性客多いしカップルもいるし。一人ではあんまり来ないような所だもんね」
「それこそカラちゅんと言うのはやめてくれ……ナス子の好きそうな所くらいわかるさ。天が俺たちを祝福してこの店に導いてくれたんだろう、フフン。気に入ってもらえて何よりだ」