第99章 【リクエスト作品】【R18】【カラ松ルート】イタくも愛しい
『そうそう、お洒落アイテムの一つ! これも一緒に買っちゃいなよ』
「あ、そうだそうだ。ニットの赤い帽子も買ったんだった」
今この部屋に鏡がないのが悔やまれる。
お洒落に興味がなさすぎて、いつもは適当に風呂場で服装の確認をするくらいだ。
今部屋を出たら確実にカラ松に見られてしまう。
「へ、変じゃない、よね? トド松の前で試着した時は似合うって言ってくれてたし……うおぉぉぉぉ、何で私がカラ松なんぞにこんなドキドキせにゃならんのだーっ」
独り言がヒートアップし、声がデカくなっていくと、すぐにその暴言は彼の耳に入ってしまったらしく襖をあけられてしまう。
「ナス子、どうした?!」
「ぎゃあ!!」
「ぎゃあっって……ぶっふぉ!! 何故服を投げつけるんだっ、見えないじゃないか」
「まだ見ないで! 化粧もしてないのにっ」
カラ松に見られる準備なんてまだ出来ておらず、真っ赤になって咄嗟に近くにあった服を投げてしまう。
その隙に隣をすり抜けて部屋を出て行こうとしたが、すぐに手を掴まれると腰を抱かれクルリと反転させられ姿をマジマジと見られてしまった。
「どっ……わ……ま、まだ仕度が」
「…………ジーザス」
「じ、爺さん?」
「違う、ジーザスと言ったんだ。可愛い可愛いとは思ってはいたが、着飾ればこんなにも光り輝くものなのか」
「それは私が着飾らないと光輝かないとでも……」
「いっ、いやいやいやいやいや! ノンノンノン、そんな事はないぞ?! ただ見慣れない服装と帽子で髪型も雰囲気も違って見えると言うか、今すぐ触りたくなるような恰好だな」
「あかーん!! デートするんでしょ? こらっ、スカートの中に手を突っ込まないっ、腿をなぞら……っ、なぞらないでよ変態っ」
外に出かけたいと言う割には普段見る事の出来ないナス子のお洒落に感動してしまい早速脱がしたくなってしまうダメ次男。
お洒落をしている意味が全くなくなってしまう。