第14章 六つ子が気持ちよくなる薬を私が飲まされました 六つ子と私
<一松side>
そして今に至ると。
俺が今日実家であった事を思い出し頭の中で整理する。
ナス子姉はさっきから両手で頑張って口を塞いでる。
あぁー・・・興奮するね、それ。
必死に言葉が漏れないよう我慢してるのってなんかエロイ。
例え相手がパジャマ姿で化粧もしてない残念すぎる姉さんが相手でも、十分・・・。
いや、逆にパジャマで無防備だから余計に?
普段のグータラ姿が仇となったね。
「別に変な言葉は出るかもだけど・・・いつも変だし大丈夫だよ」
「・・・!・・・!!」
何か言い返したそうだ。でも自分で言いなよ。
俺は察してやらないし、何を飲んだか教えてやらない。
嫌われるのは嫌だけど、こんな悪戯くらいじゃ嫌いにならないでしょ、アンタ。
面白いから家につくまでは秘密だよ・・・。
「さっき飲んだもの、知りたかったら今すぐウチに来る事だね・・・姉さん」
俺はミケ子を抱いて玄関に行く。
姉さんとミケ子をウチに連れていかなきゃいけない任務があるから。
「~~~っ!!!!」
思いっきし姉さんに睨みあげられてる。
そうそう、その目。
そういう蔑んだような表情も欲しかったんだよねぇ。
姉さんの表情からするに、多分俺の顔は悪人顔になってるだろう。
「着替えて来なくていいの?さすがにパジャマでウチにはこないでしょ?」
言うとナス子姉は走って着替えに戻る。
それを玄関でミケ子と戯れながら俺はじっと待った。
って言っても姉さんはいつも適当なパーカーで化粧もしないからすぐ戻ってくるんだけどね・・・あ、戻ってきた。
「は、早く行こう!じゃないと私もう皆に会いたくってウズウズしてるんだけどっ、可愛い弟達の顔って毎日見てても飽きないし、出来る事なら毎日会って・・・うぐっ」
そしてまた口を押える。
馬鹿だね、口を開くからそうなるのに。
若干気持ち悪いとも思うけど、いつもと違う言葉が出てくるナス子姉さんも面白い。
これも一種の弟達との戯れでしょ?
折角もらった薬なんだから、効果が切れるまで一緒に遊ぼうよ・・・ナス子姉さん。
俺らはそのまま玄関のカギを閉めると、俺の家へ向かった。