第98章 【十四松ルート】元気を分けてあげる
「カラ松も、この変なハンカチは大丈夫だよ。ありがとう、変だから返すね」
「なにぃ?! このパーフェクトチーフの何が変だと言うんだ!」
「ははっ、私以外は皆そう思ってるでしょ!」
笑った、ボクが笑わせた訳じゃない。
これはきっと皆が家に来たから。
でも、相談したのはボクであって、だからモヤモヤしているこの気持ちはおかしいハズ。
ねぇ、ボク。
姉さんに笑って欲しかったんでしょ?
なら、それでいいんじゃないの?
なんでこんなにモヤモヤしてるの?
「十四松兄さん? 珍しく口閉じてるけどどうしたの?」
「え?! あっ、トド松っな、なんでもないよ?!」
「……………………はぁ、ナス子の顔見れたし帰ろうよ皆」
「は? 帰るって、まだ来たばっかだしそれに理由だって聞いてな」
「………あのね、人には言いたい事と言えない事がどんな仲良しだとしてもあるの。俺だってお前らに全部ぶちまけてると思ったらそうでもないんだよ。でもそれってさ……俺にだけじゃなくて、お前らにもそういう事あるだろ?」
「そ、そりゃそうだけど」
まだ心配性のチョロ松兄さんはナス子姉さんを見ていたけど、一松兄さんは逆に違う意味で姉さんを心配してくれたって事なのかな。
「うーん、そう言われちゃうと確かにね。ぼく、ほとんど人に話さないしなぁ~……ナス子姉、もし何かあって頼りたくなったらいつでも力は貸すよ、お金以外ならさ!!」
「あり、ありがとう」
急な訪問、急な帰宅の宣言にナス子姉さんは唖然とした顔をしたけど、もう涙は止まったみたい。