第14章 六つ子が気持ちよくなる薬を私が飲まされました 六つ子と私
姉さんのアイコンをタップして画面を睨む。
「なに送る?!」
十四松兄さんはワクワクした顔で楽しそうだ。
何送るって言われても、基本は用ある時が多いしなぁ。
「俺、ケツでも出そうか・・・?へへへっ」
「それ多分後から殺されるヤツだよ一松兄さん!」
ぼくがうーんと悩んでいると、十四松兄さんが口を開く。
「じゃぁ、ボクらの写真送ろうよー!!!姉さん絵が好きだから喜ぶよっ」
「えーーーーーー?!」
「・・・・・・俺は、いい。写真とか好きじゃないし・・・」
写真と言われ一松兄さんが逃げようとする。
恥ずかしいのかな、・・・ほんと素直じゃないんだからこの人は。
「んー、じゃぁ試しに送ってみるぅ?ぼくらって六つ子の中では可愛がってもらってる方な気もするし。姉さんは口も柄も悪いけど、おそ松兄さんに対する態度程酷くないしね、多分」
「姉さんはクソダサイけどボクには口悪くないよー!」
「・・・・・・いや、十四松は気づいてないだけだよきっと。あいついつも口悪いし、態度もデカいし人の前でもグータラしてるでしょ」
ニヤリと笑って一松兄さんが姉さんの欠点を付け足す。
全く間違ってないのでぼくも頷いた。
まだまだ欠点拾ったらもっといっぱいあるけどね!!
「はーい、二人共こっち来てくっついて!」
「あーい!」
「・・・だから俺は」
「ダメだよ一松兄さん逃げちゃー」
言うと十四松兄さんは一松兄さんを担ぐ。
「お、おいふざけんなっ、下ろせ十四松・・・っ!」
「あははー、トッティ準備いいよー!!」
一松兄さんはカメラに目を向けてないけど、僕と十四松兄さんはカメラを向いてパシャリと写真を撮った。
あれ、こっそり一松兄さんピースしてんじゃん。
ほんとこの人素直じゃないよな━━━━━━!
ただ、これ送ってどうなるの。
結局ぼくの目的の甘やかされるって関係なくない?
「ナス子姉、お仕事頑張ってね♪応援してるよ♪……っと」
僕は一言、言葉を付け加えて写真と共にLIMEを送信した。
「あーあー、ナス子姉がもっと優しくて頼れるお姉ちゃんなら良かったのになぁー、アレだもんなぁ」
また床に寝転がり天井を見る。ほんと残念な所ばっかで甘えると言うより甘えられてる所の方が多いんじゃない?ぼく。