第96章 【微エロ】【カラ松ルート】NOと言えない男
「カラ松、どうしたの?」
「あ、いや別になんでもないんだ。ナス子は気にせず休んでくれ」
「でも、お風呂出たら一緒に」
「いいんだ、世界一の彼女を持つ俺は世界一の彼氏になりたいとそう思っている! だからこそ、ナス子を大事にしたいんだっ」
「ぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ」
カラ松が苦しそうに笑う表情、きっとそれには意味がある。
小さいころから付き合いだからそれは私にだってわかるし、言いたい事を我慢してるのもわかる。
だからか、なんだかわからないモヤモヤが一気に込み上げてきて変な声を出してしまった。
「なんだなんだ、水のおかわりでも持ってくるか?」
「違う、わ、我儘なのはわかってるけど……察して! 気づいて!! わかって!!!」
「ナス子……?」
「カラ松が……カラ松だけどカラ松じゃない」
「んん? それは、どういう事だ?」
こんな事私の口から言いたい訳ではない。
言ってカラ松を傷つけたらどうしようと思うからだ、なんせカラ松のハートはミラーボールだけど繊細だから。
あまりに目を見るのは言いづらくて、布団を被って思いのたけをぶちまける事にした私は維持でもカラ松に布団がめくられないようガッチリと端と端を掴む。
「前みたいに叱ったり、怒ったり、イヤとか言わなくなったし、我儘も言わないし……不満も一切ないし……なんか、なんていうか、従順すぎるって言うか」
「…………」
「付き合ってからも幸せだけど、大事にされすぎてるからっ、その……酷い扱いを受けたい訳じゃないけどさ、幼馴染のカラ松と、恋人になったカラ松が違いすぎて混乱してるの」
「…………」
まだ返事はないので私は言葉を続ける事にする。