第96章 【微エロ】【カラ松ルート】NOと言えない男
「う……あ……あの」
「ナス子……ん」
「んっ」
カラ松の唇が私の唇に吸い付き強くキスされて……それだけなのに、脳がビリビリと痺れて感覚がおかしくなっていく。
「カ、カラま……んっ、んぅ」
「……はっ、はぁ、うん……、む」
「ふ……ぁっ」
心地よい感覚が私の脳内をそのまま侵してきているのだが、お湯に長く浸かり続けていたからか頭がフラフラと……。
「ナス子……ナス子……ん、んっ」
「ふ……ぁ、カラ松」
今フラフラしてくたばってはダメだ。
やっとカラ松から積極的に来てくれたのに、なのにその自分の意識とは裏腹に身体がお酒を飲んだ時の同じような感覚に似てカラ松にもたれかかってしまった。
「ん?! ナス子、どうしたんだ……もしかして逆上せたのかっ」
「うぅ~……み、水ぅ」
結局期待してたそれ以上の事は自分の失態の所為で何も出来ず
私は目を開けると布団の上で眠っていて、カラ松はその隣に座り私の顔を心配そうに覗き込んでいたのだった。
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「目を覚ましたようだな、少し冷たいが我慢してくれ」
「うひっ、冷たっ」
「我慢するんだ、逆上せたからには冷やして安静にした方がいいからな」
何から何まで面目ない。
布団を手繰り寄せ、口元まで持っていくと、まだ心配そうなカラ松が視線を向け、私は申し訳ないと思う視線で……それぞれの思いがぶつかった気がした。
「「ごめん」」
「え」
「ん?」
「なんでカラ松が謝ってるの?」
まさか言葉まで被るとはビックリだ。
しかもカラ松が謝るのは何故なのだろうかと横向きになりタオルがポトリと額から落ちる。
「俺が急にキスをした所為でナス子が逆上せてしまったんだろう?」
う、それを言われると嘘じゃない。
カラ松のキスに溺れて余計に身体が火照ったって言うか、でもハイ、そですって言うとまた余計に心配かけちゃうよね。
「違う違う、湯船に潜ったりしたから逆上せただけだからカラ松の所為じゃないよ~、だから気にしないで」
「そ、そうか……」
あれ? なんかションボリしてるような気がする。
下を向いてしまったカラ松の顔を覗き込むと少しだけ不機嫌そうな表情。