第96章 【微エロ】【カラ松ルート】NOと言えない男
慌ててるものだから壁に頭を打ち付けて、そのまま床に頭を押さえてうずくまっているのがわかる。
「ぶふっ」
____ガラッ
「ふぅ、危ない所だった。危うく頭を壁に打ち付ける所だったぜぇ」
「いや、見えてたからね? しかも頭にタンコブ出来てるから」
「はっ、見えていたのか! とんだ失態だな……ハハ」
素肌を一切隠すことのないカラ松がやっとお風呂に入ってきて、先に身体を洗うのを眺めてみる。
こっちの視線には気づいていないようで、頭を洗って目を瞑っているのが可愛い。
まぁ頭洗う時って目ぇ瞑っちゃうか。
どんな仕草でも恋人は可愛いものだ。
お風呂の淵の上に両手を組んで背中を見ていたら、どうやら私の視線に気づいたらしいカラ松が急に振り向きドキリとしてしまう。
「どうしたナス子? 俺の背中に何かついているか」
「えっ、いや?! 別になんにもついてないけど……可愛いなぁと思って」
「可愛い、か。そんなお前の方が可愛いだろ」
「……あ、あはは………ぶくぶくぶく」
「ナス子?! どうした、何故潜るっ」
キュートじゃなくて素面で可愛いとか言われたら恥ずかしいよふつうは、私日本人だし。
しかも二人共裸だしさ、何を意識してるんだ私、獣かよ。
___パアアァアアン
「ええええぇ?! 今度は何故自分の頬を殴るんだっ」
「いや、ちょっとお湯に潜ったら顔が痒くなっちゃって」
まるで一人で欲情しているようで恥ずかしく、ゴシゴシと誤魔化すように目を擦って顔を隠してやる。
お風呂が原因だけじゃなくカラ松の身体を見て赤くなりましたなんて恥ずかしいわ。
「待て待てそんなに擦ったら逆に顔が傷ついてしまうだろう」
まだ泡のついた全裸のカラ松が、私に手を伸ばして両手首を掴み動きを止められてしまい瞬間に至近距離で目が合ってしまう。