第94章 【十四松ルート】十四松と講座
片側の三角筋を解してもらい、ちょっとだけ仕事で得た知識を鼻高にも十四松に説明する。
自分が救えない程馬鹿だと自覚しているが、少しだけ自慢出来るのは筋肉の解し方やツボくらいはわかるという事。
何事好きな事は覚えるが、面倒な事は覚えない。
それが人間、それがナス子。
ゲームに関しては大好きだが上手な訳ではない。
「そのね、筋肉ってさ全身繋がってるじゃん? 実はそこを解すとお尻が柔らかくなるんだよ」
「へ~、さっすが姉さん! 先生みたい!! どれどれ~」
「アッ、ちょ……ちょっと待って揉ま」
「あっ、ホントだぁ! スッゲエ柔らかくなってるぅ、ふわふわだね姉さん」
「う、ぐ……くすぐったいよ十四松」
というか、恋人に尻を揉まれるという行為はコチラももどかしい気持ちになってしまう訳で、ナス子は身を捩る。
しかしそんな空気を悟られればマズイと思い、十四松のお尻に置かれた手をペイっと退けた。
「ふふん、ってまぁ実はこれは指名のお客さんで整体の先生がいてその人が豆知識に教えてくれたんだけどね」
「そうなんだ、色んなお客さんがいるんだね!」
「うん、本当に色々な人がいるよ~、中には他国に何件も店持つお金持ちのお客さんとかもいるし、パチンコ店のオーナーさんとか、住宅会社の社長さんとか……お医者さんとか……。いいなぁ、なんでそんなにお金持ってるんだろー。毎週受けに来る人もいるし羨ましい!!」
「じゃあタダで姉さんにやってもらえるボクらは幸せだね!」
すると十四松の手で解されているナス子もそんな十四松の言葉に口が勝手に綻んでしまう。
自分の趣味から来ている仕事だが、好きな人がこうも喜んでくれるのなら嬉しい物だ。