第93章 【逆ハー卒業ルート】今日はなんの日?
「あれぇ、またナス子姉ってば部屋に閉じこもってるの? どうせゲームでしょ? よく飽きないよねぇ。 ぼくなら休みの日は出かけて服とか雑貨とか見に行ったり美味しいパフェ食べに行ったりするけどなぁ」
もう一人モンスターがやってきた。
「……………爆弾いる?」
プラス、またしても闇属性モンスターまでやってくる。
「一松、爆弾なんて使ったら家ごと吹っ飛んじゃうんじゃないの!? この部屋だけならともかく家は大事だからそこは止めない?」
うわぁ……いつ間にかアイドルオタクまで。
ていうかさ、私の部屋は爆発してもいいのかコノヤロウ。
確かに家は大事だけど私の部屋も唯一許された自由な牙城な訳だし止めてくれ。
「ハッハーン、甘い! 甘いぞお前達、愛するラヴァ―を中から救い出すのならやはりスィーートな言葉が必要だろ。 俺に任せておけ……」
やーだーなー
━━━━━━━━━━なんか来た。
「カラ松兄さんのスィートな言葉ってナス子姉に効果出た事あったっけ? いつも当たり前のようにスルーされてるだけでしょ」
「言えてる、コイツの台詞ってイタくて意味わかんないし! 最悪俺達だけじゃなくってナス子の肋も何度か折ってるよね」
「……クソ松は黙ってろ、余計な事すんじゃねぇぞ」
「姉さん姉さん!! 皆も来たよ、皆で一緒にあそぼー!」
あああああ、今日も今日とて煩い六つ子だ事ぉ!!
恋人だしわかるよ? 一緒に過ごしたいって気持ちは嬉しいけど、こっちだって色々やりたい事があるんですよ……それに、それにね?
私は立ち上がると、扉の前に立ち、鍵は開けずに聞こえるように六人に言ってやる。
「うぉっほん!! あー、皆さん、よく聞いて下さい? 今日はなんの日でしょ~か?」
そう私が真面目に、少し声をピリリとさせて言うと、多分だけど六人は今頃扉の外で顔を見合わせて首でも傾げているのではないだろうか。
「今日? なんかあったっけ? 知ってるか、カラ松」
「んん? 今日? 今日か……」