第92章 【チョロ松ルート】ネガティブ女子
僕自身もその話はよく聞くし、相手の年齢が年齢だし大丈夫だろうとか思ってたんだけど……そうでもなかったようで話を聞いていて一気に僕のテンションも下がっていく。
「でもさ、お前自分から施術して欲しいって頼んだりとか自ら抱き付いたりとかしたり大好きとか言ったりしてたんだろ? 多少自業自得な部分はあると思うけどね、僕としては」
「わかってる、わかってるからこそ悩んでる。そんでもって、私がそんな態度をとってたから行動がエスカレートしてしまい、彼はそのような行為に至ってしまったのだと思う。……もう女一人で悩んでいるのが嫌で、凄く情けないけど後輩に相談したら相談に乗ってくれたんだよね」
「ふ~ん、その後輩はなんて言ってたの?」
「私も私で距離が近いのが悪いから、完全に向こうの非ではないけど……でもそういう胸をダイレクトに触るって言うのはやっぱりダメだと思うから、もう少し相手との距離をとるべきだって」
「ま、妥当な意見だよね。僕だって同じ職場なら同じ事言ってるかも」
淡々とした表情や言葉で答える僕は、多少冷たいかもしれない。
けど、普段から危機感のないコイツにはいい薬だ。
世の中、男女での友情だって存在するのはわかるけど、でもだいたいは違うんじゃない?
例えば僕達、ずっと幼馴染で親友だと思ってたけど、最終的にはこうやって付き合ってる。
男は皆、女に触りたいものだよね、きっと、いや、僕は特に。
健全な男ならそう思ってもおかしくはないんじゃないかなぁ。
「だよね、本気の本気で私も今回ばかりは反省してる。これからは先輩と距離を取らなきゃって思うんだけど、その事で罪悪感もあるし私が今までしてきた事に関しても、自分が悪いのに避けてしまっていいのかなって」
「そこは仕方なくない? お前は慕ってただけだけど、相手は違う目線でお前を見てる可能性があるって事でしょ? 現に今、ナス子は恐怖と言うトラウマ症状が出てる訳だから、そこかしら身の危険は感じてるって事でしょ」
「身の危険……まではいかないけど、やっぱりそういう目で見られると怖い」
「うん、それならやっぱり相談した彼女達のアドバイスを聞くべきだと僕は思うけどね。僕としてもそうしてもらいたいし、なんなら僕が言ってあげてもいいけど?」