第14章 六つ子が気持ちよくなる薬を私が飲まされました 六つ子と私
一松が満足した後、二人でコタツへと向かう。
まずは大きな伸び、そして猫がする伸びのポーズ。
背中と腰をほぐす。
「ミケ子、おはよー」
みゃぁ~♪
「もうおはようの時間とっくに過ぎてるけどね・・・」
何を言われてももう慣れっこの私は一松に突っ込み返す事なく足にすり寄る子猫を抱く。
ひとしきり顔を擦りつけた後、洗面所へ向かい顔を洗って歯を磨くとまたコタツに戻る。
相変わらず着替えはしない。残念と言われてもいい。
私は今日はグータラ過ごすのだ。
「目ぇさめた・・・?」
「うん、まだ寝てたいけど安眠妨害する大型猫がウチに出たからなんとか目を覚ましたよ」
今日の大型猫はちょっと危険そうだったので放置するとどんなスイッチが入ってた事か・・・。
「じゃぁ・・・これ、目ざめの一杯にどーぞ」
言うと一松はコタツの上に栄養ドリンク?のようなものを置く。
え、なにどうしたのこの子、気が効くんだけど?
いつもならミケ子のオヤツや玩具しか持ってこない一松が私に差し入れだとぉ?
「え、なにこれ?」
見ればわかりそうなもんだが一松の行動に目を丸くして突っ込む。
「・・・疲れてるかなって思って、飲めば」
一松ぅぅぅぅぅぅ!さっきは無視してごめんよ!!
姉さん思いのそんな一面もあるんだねっ、お姉ちゃん君への態度もうちょっと優しくするべきだよね?!
こんな可愛い弟を持ってお姉さん幸せなんですけどぉ?!
言わないけど嬉しいよぉおおおお!
「私を気遣って・・・うっ、一松、なんていい子・・・っ」
「べ、別に、たまたまあったから持ってきただけ・・・」
その姿を見ながら一松は目を泳がせている。
「そんな挙動不審にならなくってもいいじゃーん!ほら、撫でてあげようーっ」
起こされた事は置いといて、この優しさに上機嫌になった私はまた一松の頭を撫でる。
髪がグシャグシャになっているが元からだしいいよね!