第91章 【逆ハ卒業ルート】HAPPY HALLOWEEN 2018
見るからに二人の恰好はハロウィンの仮装をしている。
今年のテーマは魔法使いか何かだろうか、魔法使いさながらの帽子とローブをお揃いで着ている。
羽織っているローブに巻いてあるリボンと、帽子についているリボンはそれぞれのカラーになっているようだった。
「うぐ、厨二心をくすぐるいいコスプレしやがって。ちょっとトキめくじゃねぇかコンチクショー」
「だから口が悪いって。いつになっても治らないよねその悪い口調、男ならまだしも一応女なんだしもう少しマイルドに言えないのかね」
「姉さんがマイルドになったらもう姉さんじゃないね!!」
二人は口々に言うが、その通り。
生まれ持ったこの口調は治るハズもない。
「うるさいなぁ、私は私! いいじゃないの、他の事は色々と妥協してんだからさー……んん?」
大きな欠伸をして起き上がろうとした時、自らの枕元に置かれていた黒い布に目が行くと、一瞬でそれが何か理解してしまうあたり付き合いの長さがうかがえる。
ましてや恋人の思惑だ、わからない訳がない。
「これさ、わかってるけど一応聞く……私の仮装衣装スか?」
「へぇ、脳の動きが鈍いにしてもさすがにそのくらいは理解できるみたいだね。説明がはぶけて良かったよ」
腕組みチョロ松が言い、十四松は枕元の服を手にとりズズイとナス子の手にそれを押し付けてきた。
有無を言わさず受け取らされ、その服を伸ばしてみる。