第90章 【微エロ】【トド松ルート】トッティと合コン
「━━━━━━━━━━ん?! んー!!?」
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後日の事である。
ナス子のマンションの部屋、真ん中の机を囲みナス子の隣には一人の男性の姿があり、目の前には珈琲を片手に握り死んだ眼をしたトド松の姿があった。
「ごめんねぇ、トッティ。前にナス子から彼氏の写真見せてもらって紹介してもらった事があったのよねぇ、まさか合コンで会うなんて思わないじゃなぁい?」
「…………あぁ、はい」
トッティ事、トド松は目の前のガタイのいい恐らくオカマだろうと思われる人物に全くの他人のように接する。
まぁ、他人なのだが、初めて会った相手ではあるが初めて会った相手ではない。
実のところ━━━━━━━━━━
「ふふ、この薬ね……! 女の子になれるお薬なのっ」
「ずっと女の子になりたいって言ってたもんね、C子は」
トド松の死んだ眼を視線に入れないようにと必死になる彼女ナス子は逆に隣のC子と名乗られる人物の話に乗ってまるで女友達を相手にしているように接していた。
「そうなのよぉ、アタシってこんなマッチョみたいな身体してるでしょ? 男の人同士の合コンも素敵だけどぉ、たまには普通の合コンも行ってみたいじゃない? ほら、ノンケだからこそ手に入れたくなっちゃうって言うのかしら~、でもトッティに関しては全く好みとかじゃなかったんだけどぉ、ナス子の彼なのに合コンなんて参加してるからちょっとイタズラしてみたくなっちゃって! あ! 試してたっていうのもあるのよ?」
「……ハハハ」
乾いた笑いも漏らし、トド松はナス子を見ている。
しかし罰の悪さからナス子は全くと言っていいほどトド松と目を合わせる事はなくずっと視線はC子に向けたまま。
「ナス子も勘違いしないでね? アタシはナス子を裏切りたかった訳じゃないのよ?! でも、もしそれでアタシの事をトッティが好きになっちゃったらそれはそれでナス子の恋愛を止めるつもりだったんだけどぉ、やっぱり大事な友達の恋はちゃんとした男性を相手にして欲しいって思うでしょ? ね? ねぇ?」