第90章 【微エロ】【トド松ルート】トッティと合コン
悔しい事に、この何日か……トド松に会いたいという想いは募るばかりだった━━━━━━━━━━。
それだけがナス子の心をいっぱいにしているのを認めるのがもの凄く悔しいと感じてしまう。
一人分のベットの上に二人で腰掛けたまま、そっと自分の手の甲に一回りも大きい手が重なった。
「セクハラですよお客様」
「もう、今は二人きりなんだしお仕事モード切ってよぉ! 折角高いお金払って会いにきたのに」
「高い金払ったなら尚の事施術させろっ」
重ねられた手の甲の温かさにホっとしてしまうナス子であったがコース丸々3時間のVIPコースでただ話していると言うのは勿体ないと思う。
「会わなかったり連絡しなかったのは私が悪いけどさ……お金勿体ないよ」
「ナス子姉の顔見れるなら安いモンだよ、こうでもしないとまだ会ってくれなかったかもしれないし。ナス子姉はいじっぱりだから」
「うぐ」
否定も出来ない言葉に口を噤み、床を見てしまう。
薄暗くオレンジ色の癒される淡いライトが逆に恋人との密室に緊張を誘ってしまい沈黙の間が出来て多少気まずい。
「聞いてくれる、ナス子姉。事の経緯って言うのかな」
「まぁ、だいたいはおそ松と一松から聞いてるけど」
重ねていた手を握られてトド松の身体がまた一歩を近づく。
近づかれてコチラはまた一人分距離をとるように離れてしまったが、トド松はそれに突っ込む事はなく真剣に隣の顔を覗き込む。
「あ~、やっぱりあの二人だったんだ! ホント余計な事をしてくれるよね。いや、ぼくもちゃんと話さなかったのが悪いんだけど。特に長男なんて話をよりややこしくする事しか想像できないし、殺しとけばよかったかな」
最後の言葉だけ小言で言い放つドライモンスターの言葉は距離により聞こえるも、もう慣れた事なのでナス子もさほど気にならない。
「ま、一松はおいといておそ松の言葉をそのまま鵜呑みしようとは思ってなかったけどさ。秘密っていうか内緒にされた事は嫌だったけど」
「………ごめんなさい」
「あっ、いや……えぇ~っと……実は」