第90章 【微エロ】【トド松ルート】トッティと合コン
━━━━━━━━━━パタン………ガチャリ
「では、施術を始めさせていただきますね? 松野様、本日特にお疲れの所や気になる箇所等はございますか? 私の出来る施術でしたらお時間の限りお好きなメニューを組み立てる事も可能ですので、何かございましたら気になるメニューやコースなどお決め下さっても大丈夫ですよ」
二人きりの部屋、ちゃんと鍵もかけてもらいトド松は誘導されるがまま椅子に座っている。
「あの……ナス子……姉」
「はい、ナスとお呼び下さい」
笑顔で丁寧すぎる接客が、まるで他人のようだとトド松も緊張する。
制服姿は見た事があったが、今日はVIPコースという事で今まで見た事のない黒いシックな制服に着替えていた。
「ねぇ、ナス子姉!! 今は二人きりなんだし普通に話してよ」
「…………」
「ねぇってばぁ、ぼくどうしてもナス子姉に謝りたかったし話もあって頑張ってお金作って来たんだよ?」
だがこの金、この金は末弟であるドライモンスタートド松が長男次男から言葉巧みに奪い取った資金であった。
が、そんな事はナス子は言われなければわからない。
「ご希望のコースに迷っているようでしたらこのようなコースはいかがですか?」
言われても治らない接客態度に、トド松にラミネートされている施術欄を屈んで見せる。
「……っ、ナス子姉!」
「………ちょっ」
一応、部屋の窓はお客様のプライバシーもあり、外から中はカーテンがかかり隠されているし、館内では音楽が流れている為に中の会話は外には全く聞こえてはいない。
トド松はナス子の手首を掴み、真剣な表情で膝をついている彼女を見下ろした。
「やめてよトド松、今は仕事中なんだから」
「そんなの関係ないよ! 今のこの時間はナス子姉にとって僕がお客さんなんでしょ? それならぼくの要望に応えてよ」
必死な顔、掴まれた手首は熱く、震えている。
まさかこんな場所にトド松やチョロ松が現れるなんて想定外だったナス子はまだ心臓がバクバクとしているが、鳴りやまぬ心臓の音はそれだけではなかった。