第90章 【微エロ】【トド松ルート】トッティと合コン
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そんなことがあって、数日後のある日。
「え……また、来てたの?」
今日も半ば諦め状態だったトド松がナス子のマンションから帰宅する。
勿論反応もなければ着信も出てはもらえない。
夕飯前に実家に戻って来たトド松を、ジト目で迎えた兄達がすでに食卓を囲んでいる。
「出かけてるって言ったら、家の前でしばらく待ってたよ? 約束してたとかじゃないの?」
「ここんとこ毎日のように見るよなぁ、あの子。あーあ、なんでトッティなんだよぉ、同じ顔なんだから俺でもよくなぁい? 俺だったらすぐっ、付き合っちゃうよぉ」
「あんな可愛い子に言い寄られてるとかマジ許せないよね……しかもナス子とも付き合っててあんな可愛い子に言い寄られてるとかマジ卍許せないよね……」
「一松、三行喋ってたが同じ事しか言ってないぞ」
「黙ってろクソ」
「フッ、松さえつかなくなったか」
良い匂いが漂う居間で、みなそれぞれチクチクとトド松に向かって妬みを口にするが、言われている当の本人はそんなことはなんのその。
それ以上に彼女であるナス子にとうとう捨てられるのではないかと心配の渦がトド松を襲っている。
ちなみにC子の行動と言えば……
これはもはや、ほぼストーカーである。
面倒臭いというのもあったし、言っても仕方のないことだったので兄達にもナス子にも言っていなかったが、C子は夜にも家の前に来ていた。
トイレで起きた時、なんとなく窓の外を覗いてみた時、家の前のベンチに座る後ろ姿を目撃して、ゾッとした。
もちろん、尿意などすぐにひっこんだ。
正直、女の子に言い寄られて悪い気はしない。
むしろ良い気分さえしていたのだが、今となってはほぼ恐怖しかない。
今のところ特に何をされたわけではないのだが、これからこの状況が続くのはなんとなくよくないような気がした。