第90章 【微エロ】【トド松ルート】トッティと合コン
「もしもし?」
『あ! ナス子姉、ぼ、ぼくだけど……その、玄関開けてくれない、かな?』
「…………………無理だね」
『え?! も、もももも、もしかして兄さん達の誰かが先に来てたとかじゃないよね? な、なんか聞いた?』
明らかに動揺するトド松は浮気はしていないし、他の女性に合コンで目移りすらしていない。
と言っても、そんな事実はナス子は知らない。
「ごめん、トド松。 暫く……会いたくない、かな」
『……っ、あの。ごめんなさい、黙ってるつもりじゃ』
「秘密にしてほしいって言ったんでしょ? アイツらに」
『!? そんな事まで話してったのアイツらっ、誰? 誰が来たの?』
扉からガンっと言う大きな音がする。
多分トド松が兄に怒り扉を殴っているのだろう。
まぁ、だが今回ばかりは非はトド松にあるのだ、他の六つ子は悪くない。
「少しの間でいいからさ、私の事は放っておいて。お願い」
『ナス子姉……そんなの嫌だよ』
切なそうな声を聞くだけで絆されそうになるのは好きだから故。
自分はダメ女なのか?と自らに嫌気もさす始末。
「もう切るね」
プツリと会話が途切れ、ナス子の方からスマホの電源まで落とした。
トド松だってあの六つ子の一人なのだ、甘やかしていてはいけないと心を鬼にして、本当は会いたいとは思うのに我慢をする事にした。