第90章 【微エロ】【トド松ルート】トッティと合コン
「……でも、そうだよね。悪いのはぼくなんだしあんまりお兄ちゃんに頼るのも情けないって言うか……ダメだよねこんなんじゃ」
ふぅ、と悲しそうにまた息をつき畳を見るトド松の目は少し潤んでいてチョロ松の心に多少なりとも同情心が芽生え始める。
と、言うより、トド松の口上文句に騙されている。
「ま、待て待てトド松……こういう時ばっかりそういう言い方されても真実味がないと言うかなんと言うか……はぁ、仕方ないなぁ。僕が兄弟唯一、マトモな人間で良かったね」
少し煽るだけでもチョロ松の機嫌は回復したようで、トド松の縄を解いてしまいスマホを本人の手に返し少しだけ困った弟を見る表情で微笑む。
お兄ちゃん、中々言われないいい響きである。
「ちょ、チョロ松兄さん……ありがとう! やっぱり持つべきものはライジングじゃなくって! 人間らしさを持つチョロ松兄さんだよね!!」
「今何か言おうと」
「してないしてない! 褒めてるんだよ?! 凄いなぁ、真似できないなぁって!!」
そういうと、トド松は機嫌が完全に戻り頭を照れ臭そうに掻く三男など無視してスマホを確認する。
普通着信ナシ
LIMEメッセージはC子から来ている印のみ。
LIME着信ですらも、C子からのみだった。
「あ゛ーーーもーーーっ!! 一体全体なんっなんだよぉ! 何でこんな時にモテちゃうの?! もう少し遅ければ良かったの……違う違う、そうじゃなくてダメでしょ、こっちから連絡するねって言ってるのに何で? 何でこんなに連絡してくるかな? 普通の女の子ってこんなだっけ?! どうだったっけ?! ……く、ぅ……ダメだ、ナス子のズボラさが邪魔して既に思い出せない!!」
「付き合っても尚ドライモンスターは健在なんだな」
「もうっ! もうっ!! ちょっとチョロ松兄さん聞いてっ」
もうぶちゃっけC子の行動に関してトド松もモヤモヤは収まらないしどうすればいいのかもわからない。
こんな恋愛等皆無で、20歳を越えた童貞な相手に話した所で何の役に立つのか、とも思うクソいトド松だが、最早黙ってはいられず、怒りの矛先を愚痴と言う形でチョロ松に述べはじめたのだった。