第90章 【微エロ】【トド松ルート】トッティと合コン
若干気まずい気持ちは抱えたままだが、着替えを済ませ会いたかった相手の家に会いに行く。
「ナス子姉、一週間ぶり! 会いたかった~」
マンションの玄関を開けてもらい、すぐにその人物、彼女であるナス子に抱き付く。
「いらっしゃいトド松、待ってたよ」
「へへ、ぼくに会いたかった? ねぇねぇ」
「………聞かなくってもわかってる癖に」
トド松の背中に手を回しナス子は相手を抱き返す。
部屋の中に入って行く間、トド松はチョロチョロとナス子の周りを歩き甘えていた。
ナス子の愛猫ミケ子がトド松に挨拶をするように足元に擦り寄ると、その写真をスマホに収めようとするトド松の顔が一瞬強張る。
「……っ」
「? どうしたのトド松」
「あ、えぇと……なんでもないよ。ただメモリがいっぱいになりかけてて」
スマホを見ると、また何件ものLIMEのメッセ―ジが届いている。
相手は勿論今朝方にもLIMEを送ってきていた相手のC子だ。
返事はしていないのに、気にもせずメッセージを送ってきている。
「写真撮りすぎなんだよトド松は~」
「あ、あはは」
ぎこちないトド松の動きには気づかず、ナス子は隣に座り寄りかかる。
その仕草にすぐにスマホをポケットに仕舞い見られないよう対処するトド松。
「ナス子姉、変わったよねぇ。こんなに自分から来るなんて……まぁ、動物も人に馴れるまで時間かかるって言うもんね」
「生意気なのはこの口か? んー? ほっぺ剥がすぞコラ」
「うひゃっ、ごめ、ごめんあはーい!」
どんなに愛し合おうとも、皮肉は癖もあり治らない。
そして恋人のゴリラ暴力も健在だ、ナス子は生意気な口を塞ごうとトド松の頬をムイムイと引っ張る。
「くっ……さすが毎日スキンケアしてるだけあってスベスベかよコノヤロウー、私より全然綺麗」
「姉さんはもうちょっと逆に気を使った方がいいと思うけどねぇ~、でもそんな姉さんもぼくは好きだよ? たまには可愛くお化粧とかしてくれてもいいけど!」
「マンションの中にいるのにお洒落とか化粧はしまっせーん、面倒臭いもん」