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【おそ松さん】松野家と年上幼馴染(R18)

第89章 【おそ松ルート】怪我の功名塞翁が馬



 本当に大した事故ではなかったのだが、恐らく伝わった情報が不十分で心配させてしまったのだろう。

 おそ松には悪いと思うが、嬉しくて顔が自然とニヤけてしまう。


「笑ってんじゃねーっつの」

「いやぁ~愛されてるなぁ~って思ってさ……怪我の功名とはこのことですな」


 ニヤつきが戻らない顔を両手で抑えるが、やはり上がった口端は戻らない。
 自分の頬を自分でむにむにと揉んでいると、その手におそ松の手が重ねられ、顔をサンドイッチの具扱いのごとく挟まれる。

 そしてかなり顔を近づけられ、真正面から視線を捕らえられる。

 もう怒ってはいないようだが、まだなんとなく微妙そうな表情をしたおそ松がそこにはいた。

 自分の表情というか、顔は今どうなっているかは絶対鏡とか見たくないが。


「おばさんから事故ったって聞かされてから、さっきお前の顔見るまで……生きた心地しなかった」

「……ふぉふぇん」

「なんて言ってるかわかんねーしっ」

「だふぁらゴふぇンってふぃっ」


 ナス子がなんと言っているか、おわかりいただけただろうか。
 だがおそ松にはそんなことは関係なく、縦に潰れたナス子の顔に自分の顔をさらに近づけ、その唇を重ねる。


「…………ブッサイク!」

「! ふぁんふぁあひゃっへるんでひょっ、ひーふぁげん……っ離せー!」


 自分の手と一緒に顔を挟まれていたので払いのけることが出来ず、体と首を捻って自力でおそ松の手を振りほどく。
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