第88章 【R18】【おそ松ルート】煩悩の松は追えども去らず
瞠目するおそ松の表情が、一瞬でスっと目が細く間が空いた後、悪く口端を上げる。
「………へぇ? 皆ってアイツらだよな? 何でいきなり旅行でそんな事になったのか教えて欲しいんだけど」
「え、あ! ちょっと……」
また体勢を変えられて今度は完全に押し倒された状態にされてしまった。
「なぁ、なんで? 俺じゃなくて他の奴も意識したの?」
「え、それは━━━━━━━━━━言えない」
「…………ふ~ん」
どう見てもおそ松のオーラは悪く、怒っているようにも見えるし確実に嫉妬しているのもわかる。
言わなければ良かったと思っても時すでに遅しだ。
何故余計な事を言ってしまったのだろうと後悔する。
「俺はあんまり過去には拘らないよ? 根には持つけど。でも、それは聞き捨てならないって言うの? 今は、どうなんだよ、まだアイツらの事も意識してるとかじゃないよなぁ?」
少し怖い表情のおそ松に頬に手を当てられ顔を覗かれたナス子は、まるで蛇に睨まれたカエルのように固まってしまう。
「今はしてないよ!! ホントにっ、アイツらは幼馴染で弟としか見てないから!!」
「ふぅん、ホント?」
「ホントだよ!!」
「…………………」
てっきりそのまま何かされるのではないかと思ったが、おそ松はそれ以上セックスの続きをする事はなく、勝手にナス子のスマホを弄りだす。
「あ、おそ松! 何してんの?! それ私のスマホっ」
「いやぁ、ちょっとね。アイツらにもちょこーっとだけサービスっての? してやろうかと思って」
サービスとは一体なんぞや?
言っている意味は全くわからないが、おそ松は実家に電話をかけているようだ。
「あ、もしもしー? お、カラ松? 今暇~? 俺今さ、ナス子のマンションにいるんだけど、お前も来ない?」
「はぁ?!」
「どうせお前暇してんだろ? 遠慮すんなってぇ、ナス子も会いたがってるみたいだし来いよ~」