第88章 【R18】【おそ松ルート】煩悩の松は追えども去らず
「じゃあ逆に聞くけどさぁ、ナス子は? 俺に好きって言われたから好きになったの?」
「………っふ……胸弄られなが、ら……喋れな……っ」
「いいじゃん、ほらぁ教えてよ」
耳元でボソリと余裕そうに喋るおそ松は愛撫をやめようとはしない。
ナス子は身じろぎながら、溺れて行く思考をなんとか浮上させ考える。
「い……つ、だろ……自覚したのは……んんっ、もう! ちょっとだけ手ぇ止め……っ」
「へいへいー」
やっと聞く耳を持ってくれたかのようにおそ松の手が胸を覆ったまま止まる。
左胸に手を置かれているので、コチラの心臓の音はバレバレだ。
「脈早いなぁ、そんなにドキドキする事ぉ?」
「だ、って……えと、自覚したのは確かにおそ松が好きって言ってくれた時だけど」
あの日の事を思い出し、今度はナス子が経緯をおそ松に説明しだす。
「スマホで調べたって……おいおい、マジで恋愛経験少なすぎでしょっ」
「だって、情なのか恋愛なのかよくわかんなくなって」
「でも、スマホの情報だけですぐに好きってなるのもおかしいだろ? 実はナス子だって俺の事もう少し前から意識してたんじゃないのぉ?」
そう悪い笑顔で言われると、確かにそうだ。
キスされた時からおそ松の事は恋愛でなくても意識はしていた。
だがやはり思い当たるのは、遊園地。
自分もその時、おそ松にドキっとした時だってある。
「やっぱり、私も偽のデートした時かなぁ?」
「なーんだ、やっぱお前も一緒じゃ~ん! なんならあのままマジで付き合っちゃえばよかったなぁ、なははははは」
お茶らけて笑うおそ松の声と笑顔にコチラも胸が熱くなる。
おそ松の言うように、好きって思えばそれでいい、確かにそうかもしれないとも思う。
しかし何かのきっかけはあるハズで、やはり一応女性としては気になってしまうのだ。
「まぁ、実を言うと旅行中におそ松だけじゃなくって皆の事も多少意識してしまっていた訳ですが」
と、言った後だ━━━━━━━━━━