第13章 レンタル彼氏、俺 おそ松side
俺の歩に対し、ナス子はなんとか中にまだいたいらしく抵抗する。
だから俺に抵抗したってムダだっての。ちょっとは学習しろってーのな。
「えー!ちょっとおそ松、もっとゆっくり歩かないと楽しくないんだけど?!もっと中探索しよ――」
「うるせぇ・・・」
あ、なんか俺今ちょっと怒ったような口聞いたか?
いや、でも今はとにかく早く外に出たい。
もうお化けとか音とか内観とかそんなんどうでもいいし!
今俺無敵モードなんじゃね?
結局俺たちはこの軽いヤツと言われるお化け屋敷を何の堪能もすることなく、いや、俺は叫んだけど。おっぱいの感触もしたけど!
とにかく!!俺は、外にでた!
そんでもって・・・
「はぁっはぁっ、そんなに足早に行かなくても、どんだけ怖かったの・・・」
膝に手をついて肩で息するナス子。
「いや、だから怖くねぇし!」
もう何度言ってんだこのセリフ。そんな事マジでどうでもいいんだって。今はそれより―――――
「ナス子」
「ん?下向いて表情見えないんですけど、まだ怒ってるのー??
いきなり脅かして抱き着いたのは悪かったって言ったじゃん、次からはやらないからさぁ」
「そんな事はどうだっていいんだよ!」
少し語気が荒くなった俺はナス子の両肩を前から掴む。
俺の手、多分震えてるわぁ・・・でももう無理限界。
図体デカいと思ってたけど男の俺よりコイツ華奢だったのな。
俺はずっと伝えたくて仕方なかった事があった。
俺って正直我慢強い方じゃないからさぁ・・・
「うわっ、ご、ごめ!そんなに怒るなんて・・・」
「お前、何カップ?」
・・・・・・・・・やっと言えた、外にこれマイクで流れたらヤバイんだろ?
俺ってほら、気が使えるお兄さんな所も実はあるしさぁ~。
抱き着かれた時から気になって気になって仕方なかったんだよねぇ。
そんでもって、やっと今日限定の、彼女の姿が見えた事に安堵した。