第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
まるでこの部屋の空間だけはマンションにいた時を思い出す事も出来る。
騒がしい空間にも慣れ、寂しがり屋な部分もあったがやはりグータラな部分は全く変わっていない。
一人になって堪能したい趣味もあるのだ。
毎日毎日同じ部屋に六人もの男性がいると、一応女性としては何かしら不便なのもある。
━━━━━━━━━━ドンドンドン
「姉さーん、マッサージは諦めるから遊ぼうよー!! 野球はー?」
扉の前からくぐもった声が聞こえ、声の音量から五男なのだとわかる。
しかしこの五男、もう何度かナス子の部屋の扉の鍵を破壊してきている為、放っておく事は出来ない。
仕方なしに溜息をついて、扉を僅かに開けて人物を見上げる。
「野球はしません。って言うか十四松のボール早いし、すぐ打たれちゃうから私が投げてもムダだし遊べないでしょー」
「えー、そうかなあ?」
みゃ~
「あ、ミケ子! ボクらの部屋にいないと思ったらこっちの部屋にいたんだね、一松兄さんが探してたよ?」
足元に擦り寄るミケ子を十四松が抱き自らの目線まで上げて言葉を伝え、そのしなやかで軽い身体を床に下すと、頭のいい猫は六つ子の部屋へと優雅に歩いて行く。
「十四松は動物とも会話できるのか」
「さぁね! わっかんない!! ねねねね、入っていーい?」
「ダメ」
「え~、なんでぇ、なんでぇ?! 遊ぼうよー!!」
「今から私はゴロゴロしてゲームをするのですっ、先に言っておくけど部屋の扉と鍵壊さないでよ?! もし壊したら弁償アーンドお触り禁止だからね!」
「う゛っ」
この部屋が出来てから、何度も注意しても破壊行為に走る十四松にまた念を押してギロリと睨みあげる。
「なに、またゲーム? 皆が休みの日にそりゃないでしょぉ~」
一歩たじろぐ十四松を見て、これ幸いと扉を閉めようとしたナス子だったが、その扉はいつ持ってきたのか、十四松のバットを隙間に挟まれてしまい閉める事が出来ない。