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【おそ松さん】松野家と年上幼馴染(R18)

第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦



 脳の回りが遅くなっているのか、聞こえた言葉が浸透していくと同時に、指輪の文字をゆっくりと指先でなぞる。

「……永遠、に……一緒…………?」

 無意識に言葉を反芻すると、またそれがじわりと脳に、胸に浸透していくのを感じる。
 そしてそこから、温かいものが溢れだして、それは形を変えて、場所を変えて、涙という形になって次々と零れ落ちた。

「うへ……へへへ……っアンタたちと、永遠に……ずっと、一緒にいられるんだぁ……」

 鼻水まで垂らしながら、それを拭おうともせず、泣きながら笑うナス子に全員が歩み寄る。

 おそ松がナス子の手を取り、カラ松がポケットから取り出したイッタイハンカチで涙や鼻水を拭ってくれる。

「実はさぁ……あーっ、なぁ、もういいよなっ? 言っちゃって」

「いいんじゃない? 指輪も渡せたし、これ以上は隠しててもなんの意味もないしねー」

 カラ松のイッタイハンカチを奪取し、思い切り鼻をかむ。

「え……」

「なに、隠しててって……アンタたち、私に何か隠し事してるの?」

 このいい雰囲気の中、隠し事という急に出て来た不穏なワードに少しだけ眉を顰める。
 ナス子の反応に、おそ松が慌てて首を横に振る。

「違うって! あー隠してたことは隠してたけど、浮気とかそういうんじゃないからなっ」

「ちょっとおそ松兄さん、そういう言い方すると逆に怪しいからね? ぼくが説明するよ」

 おそ松をおしのけ、トド松がナス子の前に立つ。

「実はー……さ、ぼくたち、ここのところ誰も家にいなかったりしてたでしょ? あれさ……信じられないかもしれないけど……短期で働いてたんだよね」

「え」

 働いていた。

 この六つ子たちに一番似合わないワードだ。
 それがこのタイミングで急に飛び出してきたことに、思わず声を失ってしまった。

 働きたくない、が口癖の男たちだ。
 俄かには信じがたい。
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