第13章 レンタル彼氏、俺 おそ松side
ナス子とカップル繋ぎしたまま暗闇の中にいる俺たち。
「うわー、怖いねおそ松!」
「へ?!んなななな、馬鹿言うなってだから俺はこんな所・・・」
ガシャーーーーン!!!!
「ヒィイイイイイイイ!」
一歩二人で踏み出すと中から大きな音が聞こえてきた。
だからこういうビックリする系やめろって!
怖くないけど腹立つんだよっ
「ギャーーーー!」
って思ってたらまさかナス子も叫んでた。
あれ?お前こういうの好きだから平気なんじゃねぇの?
「あはははは、ビックリして楽しいー!」
なにそれー、怖いんですけどぉー!!
「お前も怖い訳ぇ!?」
「ん?お前も?」
なんも見えないけど多分ナス子は俺を見上げてるだろう。
キョトンとした声が聞こえる。
「いやいやいやいや、お前!『も』なんて言ってないからね?俺はぜーんぜん怖くないからね?」
「ふーん・・・」
そんでナス子の含み笑いみたいな声、あぁコイツ何か企んでやがる・・・この声は絶対そうだ。
ちょっと楽しそうに笑ってたからな。
「・・・って、れ?ナス子?」
突然固く握っていたハズの手が離れる。
まだ視界に慣れない俺は手を伸ばしてオタオタとナス子の手を探す。
「おい、お前ふざけんなよっ?!こんな事したって俺ぜんっぜん怖くねぇし、ビビったりしねぇし!」
俺の手にもナス子の体は当たらない、声もしない。
一瞬の静けさ・・・・・・
「おい、おいって!」
ガシャーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!
「ひぎゃあぁぁぁぁあ!だからもうその効果音いいってのぉ、いるー?いらなくね?!ビビるからっ、じゃない、ビビってねぇし!」
ナス子が見つからないまま俺はそこに立ち止まってる。
いや、何歩か探して歩いてるか。
かろうじて何歩か、だけど。
お化け屋敷って別に入るのは嫌いじゃないのよ?
人が作ってるモンだし、誰かが叫ぶと面白いし、特にトド松あたりとか!
けど誰もいない状態で一人でお化け屋敷入るとかないでしょー?
ムードとかそういうのじゃなくてよっぽどのオカルト好きだよねそれ。