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【おそ松さん】松野家と年上幼馴染(R18)

第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦



「でも、今は違うから。って言うか、俺………俺さ、ずっと言いたいことがあったんだよね、お前だけに」

「………ん?」

「………俺さ、本当は結構前からお前の事、意識してた」

「へ?」

「俺は他のアイツらと違って自覚が早かったから、もうどのくらいナス子に片想いしてたかわかんない」

「一松」

「ずっと、さ。このままで居れたらいいよね」

 遠くを見た一松はポツリと呟く。

「うん、そうだね、私だってこんなハート泥棒されるなんてこれっぽっちも思わなかったよぉ、なんせ相手はニートで童貞。生き方がクズでしょうもない六人とこんな事になってしまうとは」

「お前もほんっと大概だよね、女版ドライモンスターの素質あるんじゃない?」

 やっとずっと秘めた言葉を告白しても、鈍感で馬鹿なナス子は一松の告白を受け流すかのように答える。

 だが、実はそんな言葉を言われ本当は気が気でないし、いつからそんな感情を持たれていたのだろうかと思う。

「感謝してるよ、ずーっと……小さい頃から一緒に居てくれて男の人からも守ってくれて、たまに邪魔してくる時もあったけど皆や一松がいたから私は今こんなに幸せなんだなって思うんだぁ」

「ナス子……」

「だから、その………す、好きになってくれてありがとう」

「そんなの、お礼なんてする事ないんじゃない? 俺は勝手に好きになっただけだし」

「……そ、そそそ、そうっすか」

「うん、そう」

 横並びに波の音を聞きながら二人は手を繋ぎ、ギュっと込めた力に心臓がドクリとする。

「まぁ、そういう事だから……別に選べって言ってる訳じゃないからね。ただ……言いたかっただけ」

「ふ、ふふふ」

 真っ赤になった一松はそっぽを向いてしまい、笑うナス子の顔が直視できない。

「なに笑ってんの、俺が告白したのがそんなにおかしい?」

「いや、嬉しくって」

「………そう、なら別にいいけど。こんなゴミにそんな事言っていいの? 可哀想だけどもう手放す気はないよ」

 やっと視線がコチラに戻り、またドキリとしてしまう。

「は、ははは……そろそろ戻ろっか! ちゃんと朝は起きなきゃだし! 付き合ってくれてありがとう」
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