第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
ヘラヘラと力なく笑い大きく息をつく。
まだ気だるさは残ったりだが、少しだけ悪かったと思った六人は冷たいおしぼり等を用意したり、うちわで仰いだりしたりと介抱をしてくれるのだった。
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夕食の時刻、この旅館でも夕食は部屋食で仲居さん達が豪華な食事を運んできてくれた。
その時刻にはもうすっかりとナス子の逆上せも治っており目をキラキラと輝かせる。
「す……っごい、いっぱい出てきたね! 食べきれるかな? 持って帰りたいくらいっ」
「自分の分が食べられなくなったら俺が食べてやるからいつでも言ってくれ」
「うん! 今は食べる気満々だけどね、ありがとカラ松っ」
「フフ~ン、頼ってくれていいんだぜぇ? ラヴァ―に優しい俺ぇ、自慢に思ってくれてもいいん」
「「「「「「いただきまーす」」」」」」
お約束に次男の言葉を無視し、他六人は両手を合わせ食事にありつき始め美味しい御馳走に舌鼓を打つ。
「んまー!! 兄さん食べてみっ、この魚プリプリでっせー」
「ん、もぐ……ほんまやー新鮮で口の中で魚が泳いどるなー」
なんのコントか、一松と十四松のコントが始まり笑いが声から洩れてしまう。
こんな七人との外出での団欒はホントに久しぶりで全員の会話やら動作を見ながらとにかく笑顔が治まらない。
ふと、並べられた食事を見回した後に一つ疑問が浮かぶ。
「あれ? 皆、飲まないの??」
そう、いつもは酒だ酒だと煩い六人は今日は誰一人としてそれを口にもしないし注文すらしていない。
「んー、あんまり飲み過ぎちゃうと折角ナス子姉と久しぶりに旅行に来たんだし眠くなっちゃったら勿体ないでしょ?」
「そそ、たまには酒ナシの飯もいいかなってなぁ、なはははは」
「それに夜はまだまだこれからだ、長いようで短い時間をムダには出来ないからな……んん、美味いな。デリシャスだ」
美味い美味い言いながら堪能する恋人六人はこちらが疑問に思った事に対しても自分から飲みたいと言い出す人物は一人と出てこない。
「ふ~ん、変なの。あんなにお酒好きなんだから飲めばいいのに」
「前に旅行に来た時の最終日は頑なに飲ませてくれなかった癖によく言うよ」
「あ、あれは…………」