第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
細い目でチョロ松が言うが、あの時はまだ一人を除き互いに恋愛感情などなく、ナス子もこの六つ子達を弟のように思っていた。
それなのに酒の力の所為でセクハラ以上な事を受けた上、記憶まで失くした六人を殺してやりたいとも思った程だ。
「わーかってるってぇ、あの時は構って欲しかったんだろぉ?」
「そ、そう! うん!! 構って欲しかった!!」
全くそうではなかったが丁度いい無自覚な助け舟が空気の読めないおそ松の口から出て救われる。
特に今なら言ってもいいかなぁとも思う事だが、今更掘り返したって面倒だしそのまま封印しておく事にした。
結局豪華絢爛な料理は一人分とは言え食べきれずカラ松がペロリと残りを平らげてくれてムダにせずに済んだ。
夜食後、お腹いっぱいの状態から少しだけ休憩して、早めに布団を敷いてもらいまた全員でまだ入っていない温泉に向かって残りの風呂も短い時間とは言え制覇出来た事に大満足で身も心もホクホクとなり部屋に戻る。
「ぬはー、満足! だいっまんぞく~アンタ達最高だよ、ほんと今日どうしたの? 触ってはきたけど優しいし旅行までプレゼントしてくれたし……変な事とかまさか企んでないよね?」
培ってきた疑心暗鬼の癖と言うのは中々消えるものではない。
別に今日の夜に事をするという事に関しては何も気にもしていないし、体力的には自信がないにしても、他にも何か別の、ナス子が思っている以上の変な事でもされるのではないかと怪しんでしまう。
疑惑の目で見られた人物達は互いの目を見合わせた後、ナス子を見ながらフっと笑い何を言い出すやらと言う目でコチラを見返してきた。
「あのね、俺達だって毎回毎回何か企んでるとかないから。これはホントにぷ、プレゼントって言うの? いつも頑張ってくれてるの知ってるし……」
「いつもありがとうございーマッスルマッスルー! ハッスルハッスル―!!」
「「「「「「かーらーのーっ」」」」」」
「おあっ!!」
誰ともなく身体に飛び掛かられ、敷かれた布団に仰向けに倒れ込む。