第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
━━━━━━━━━━ 数日後。
七人は久しぶりにナス子の連休の日を狙い、近場の温泉へと旅行に来ていた。
旅行に行こうと告げられたのはつい先日の突然の出来事で、さすがにビックリしたが普段何かない限りは外にも出ずもう既に結婚をしている友人達と共に頻繁に遊べる訳もなく、どうせ暇な連休を過ごす予定だった為、特に断る理由もないので了承する。
前に七人で旅行に行った時はあんなに渋っていたのが嘘のようだ。
まぁ、関係も関係で心配事なども一切なく、しかも最近昼間にいなかった六つ子達とずっと一緒に居られるのだから、今回は楽しみでしかない。
「ねぇ、お金……本当にいいの?」
「大丈夫だよナス子姉、ぼくらちょっと今お金持ちだから、今回は気にせずぼくらに任せてよ~」
「そうそう! 姉さんはいっつも僕らに奢ってくれたりしてるしたまには僕らも恩返し!! 問題なっシーング!!!」
前回の旅行では、福引で当てた旅行で無料宿泊をし、外出する時はナス子がなんだかんだで奢っていた。
だが今回は六人がナス子に一文たりとも出さなくて大丈夫だと念を押し、コチラは突然の旅行のプレゼントに驚愕するしかない。
「やっと普通の車が借りれたからナビもちゃんと機能してくれてるし、誰かさん達にマップ案内してもらわなくても楽でいいよねぇ」
「すみませんねぇ、地図一つ読めなくって~」
今回もチョロ松が運転して、ナス子はまたもホイホイと助手席に乗ってしまうが、今回はナビをする必要もない為あまり文句は言われない。
「温泉、か。最早あの時の旅行が懐かしいな……フフ、めくるめく愛の逃避行の匂いがするぜぇ」
「逃げてないから! 普通に旅行に行くだけだからねカラ松!」
パチンと後部座席で指を鳴らすカラ松に久しぶりにちゃんと突っ込んだような気がする。
いつも皆に無視されるカラ松は嬉しそうに片目を瞑ってん~?っと返しながらもウィンクが飛ぶ。
「………」
そのウィンクに条件反射のようにスンっとした顔になりまた前を向くナス子。
突っ込んだはいいものの全部相手にしていたらキリがない。