第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
「一松っ、首は大事なんだから乱暴にしちゃダメっ!」
「ああ、そうだったね……でも大丈夫、首だけになっても俺がもらってあげるからさ、ひひ……」
「こわぁ、サイコパスな弟がここにも一人いたよぉ」
「突っ込みを入れながらナチュラルに服をめくろうとするなおそ松……っ」
いつの間にやら寝巻の中に差し入れられた手の甲を思い切りつねると、相当痛かったのかそれはすぐに引っ込んで、涙目になったおそ松がナス子をにらみつける。
「痛ったぁー! そんな思いっきりつねることなくない?!」
「手癖の悪さを矯正してあげてんでしょーが!」
「でもさ……ナス子も手癖、悪いよね……俺たちの寝込みを襲おうとしてたでしょ」
「は、へ、は、はぁ?! そそそそんな、そんなことし、しし、してないしっ!」
思い切りドモってしまった為、むしろ肯定をしてしまったようなものだが、はいそうですと認めるには恥ずかしすぎる行為だ。
恋人同士なのだから別にいいじゃないかと多くの人が思うだろうし、ナス子自身も悪いことをしているとは思っていないが、ただただ恥ずかしいと思ってしまうのは仕方がない。
「て、っていうか、一松っ、おおお起きてたの?! タヌキ寝入りしてたってこと?!」
「いやそれさっきも聞かれたんだけど……寝てたよ、ちょっとカマかけてみたんだけど、大当たりだったみたいだね」
「やるじゃんいちまっちゃーん、と、いうわけでぇ……」
「ひょわっ!」
いきなり畳に組み敷きられて視界はおそ松の顔と天井を見る事になる。
ついさっきまでコチラが優位に立っていたのに急に立場が逆転して、しかも二人が急に目覚めたので脈が早まりいつも以上に心臓の音が煩い。
「このボタン、お前が外したんだよな?」
ニヤリと口角を上げるおそ松とその横に座る一松も同じ顔で見下ろしてくると自分がしていた事を言われ恥ずかしい気持ちも芽生えるのだが寝こみを襲おうとしていたのも事実で真っ赤になった顔を両手で覆い、たどたどしく言葉を告げた。