第13章 レンタル彼氏、俺 おそ松side
ナス子のグロッキーモードもどうやら俺と話してたら良くなったようで、今は手を絡めたまま園内を歩きまわる。
「おそ松なんか乗りたいのある?」
「えー、俺?俺あんまこういう所来ねぇしなぁ」
目に映る乗り物にいくつか視線を移しても絶叫系ばかり。
へぇ、今ってこういうの好きな人多いわけね。
なんでコイツここに来たの?乗れないのばっかじゃねぇか。
「今目でなんでコイツここ来たの?とか言った?」
「ん、言ったー」
「だって遊園地自体は好きなんだよ、お化け屋敷もあるし」
あぁ、そういやお化け屋敷入りたいとか言ってたな。
作りモンなら平気だとは思うけど、俺もそんなに得意って訳じゃないんだけどねぇ・・・。
「おそ松はお化け屋敷平気だっけ?」
「は、俺?んなもん平気に決まってるだろ〜、俺をいくつだと思ってんだよー」
俺の言葉を聞くと、今日一番目をキラッキラさせて俺を見上げてくる。うん、ほんっとキラッキラしてる。
「ここの遊園地ね、お化け屋敷が3つあるんだよ!」
「へ、へぇ?」
うーわー、これもう絶対行くヤツじゃん。
握ってた手にいっそう気合入ってギュウギュウしてくるし。
目だけじゃなくてテンションまでウキウキに見えるし。
「あー、へー、そう・・・」
3つもあるのかよぉ、一つでいいだろぉ?わざわざこの広い敷地内になんで3つも作った?!世の人間達は絶叫マシーンで絶叫してお化け屋敷で絶叫して・・・
いやどんだけ絶叫したいんだよ?!
「行こう、おそ松!!まずは軽いヤツからっ」
「軽いヤツぅ?なんだよそれ?」
俺たちは歩を進めたまま、園内にある敷地地図を見つけて足止まる。
あぁ、もうなにこれ、心霊ゾーンてなんだよこれ。
危ないゾーンじゃねぇの?帰ったら一人なんか付いてくんじゃねぇのか、これ。
「怖い?なんかウワー・・・って目ぇしてるけど?」
「んだよ、笑ってんじゃねぇよ!怖くねぇし、さっきも言っただろうがっ」
なんでこんなので上機嫌になれんのコイツ。
それならまだ俺は絶叫マシーンとかの方がマシかもしれない・・・。
ぜってー言わねぇけど!!!!!