第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
「サボる? 何か六人で新しい遊びでも始めたの?」
「え?! あっ、えーっと……まぁ、そういう事、かなぁ」
やはり言うつもりはないらしい。
なんだか自分だけ蚊帳の外で、面白くない。
「十四松は?」
「あぁ、十四松なら帰りもう少し遅くなるみたいだよ?」
「じゃあ十四松も一緒に外に出かけてたんだ~」
これはもう、確実に何か隠している。
まさか━━━━━━━━━━
浮気か……?!
自分の年齢もあるし、自分の可愛くない性格だって重々承知しているし、最近は性欲的な問題で沢山我慢していると言う兄弟もとい恋人達。
結局我慢は出来ず事に至ってしまう事もあったが、自分がこのまま変わらなければ六人の誰か、若しくは全員が他の女性に魅力を感じる事だっておかしくはないと思う。
というか自分に女性の魅力ないしね!とか心の中で嘲笑してしまう程だ。
「ん……に゛ー!!!」
「「「「「!?」」」」」
なんだか意味のわからない奇声を発してしまい大人の女性が出すような声でも悶絶でもない。
「ど、どうしたのナス子姉? 久しぶりにカピバラの物真似でもしてんの?! あぁ、でもカピバラってそんな風に鳴かないよね、どっちかって言うと今のはウシガエルみたいな鳴き声って言うの?」
ウシガエルって鳴き声可愛いよね、「わんっ」って鳴くし。
いや、違うだろう、ウシガエルと言われて嬉しいハズはない。
けど今の自分はウシガエルのあのヌボっとした目に似てるかもしれないし、気持ちだってジメジメしている。
「どーせ、魅力もないし可愛くないし言いたい事だって素直に言えませんよーだ、ぐぬぬ」
「どうしたの、一体?」
「さぁ? ぼくにもわかんない」
帰って来たばかりのチョロ松、トド松は今もナス子のご機嫌ナナメなご様子に意味がわからず他の兄弟達に質問を向けた。
「ナス子ちゃ~ん、ちょっといいかしら~」
ウシガエルがヌボっとした視線をしていたが、下の階からお呼び出しがかかり慌ててナス子は立ち上がり松六人に疑惑と拗ねた表情を残した後、部屋から出て行った。