第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
昼が過ぎ、やっとナス子が目覚めうんと伸びをして起き上がると珍しく部屋には誰もいない。
「あれぇ? いつもは誰かしら部屋にいるのに珍しいな」
近くにいると言えば愛猫のミケ子だけ。
居間にでもいるのかと服を着替え目を擦りながら下の階に移動した。
「あぁ、起きたのね。おはよう、ナス子ちゃん」
「松代さん、おはようございます。すみません、仕事だからって家事サボっちゃって……」
申し訳なさそうにペコリとお辞儀をすると母は不思議な顔をしてクスリと笑った。
「いいのよぉ、ナス子ちゃんも仕事で疲れてるし体力仕事だもの~。それに家にお金まで入れてくれてるし息子達に比べたら天と地の差なんだし、まだお仕事の時間まであるでしょ? ゆっくりしてなさい~」
松代は何も気にせず優しく笑い、洗濯物を畳み終えた。
「あの、皆の姿がないんですけど知らないですか?」
居間を見回し、キッチンにも目を向けてみて、やはりこの家には松代とナス子しかいないようだった。
「さぁ? 朝から六人で出て行ったけど、どうせロクな事じゃないでしょ~またパチンコとか競馬とかねぇ」
「なるほど、それなら仕方ない……仕方、ない、のか? ちゃんとアイツらも手伝いしてます?」
自分がこの家に入ってからちょくちょくと家事を手伝い始めた六つ子達。
完全に手伝う訳ではないが、何かしら軽く手伝っている所をもう何度も目にしている。
「ふふ、以前に比べればまぁ少しはやるようになったかなぁ~ホントナス子ちゃん様様だわ、ありがとう」
「い、いえいえ! 私なんて全然家事出来ないし松代さんや誰かが教えてくれないとまだまだ」
「大丈夫よ、これからもあるんだしゆっくり覚えていけばいいの、ね?」
義母(仮)の優しい反応にホっと胸を撫でおろし、これからゆっくりと言う言葉に急かされていないという事もわかりより安心する。
「じゃ、じゃぁ私はまた二階に戻りますね? あの、何かお手伝いできる事があったらいつでも声かけて下さい!」
「ありがとう、何かあったら宜しく頼むわね」
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