第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
添えられた手がスルリと布団の中で胸に添えられる。
おいおい、我慢はどうしたと突っ込みたいが身動きが出来ない。
「好きだよ、ナス子」
耳元でポソリと言われゾワゾワと総毛立つ。
このままではヤバイ、この場所でもヤバイ。
この状況を何とかせねばと危険信号がビーイーと大きく頭の中で鳴っている。
慌てて視線を動かし先程トド松が持っていた携帯に目がいくと信じられないものが目に入る。
「……………トド松君よ」
「ん? なぁに、姉さん」
「その……動画、見覚えがあると言うか……もの凄く嫌な感じがするんですが」
ナス子が見えてしまったトド松の動画は以前、六人に散々ご奉仕として虐められた日の動画に見える。
「貸して!!」
「あっ、ちょ、ちょっとナス子姉!」
触れられていた手を払いのけトド松のスマホに手を伸ばす。
再生ボタンを押し、とても不本意極まりないイヤらしい動画が流れていき、とてもじゃないが直視は出来ないものの、いつの間にこんなの録られていたのかとジトリな視線で相手をみやった。
「え~っと、ここここ、これはほら! 色々ぼくらも溜まってるって言うか……我慢してるのって辛いからちょこっとストレス解消のお手伝いをしてもらってるって言うか~……あぁ! ちょ、姉さん削除ボタン押そうとしないで!!」
有無を言わさず動画の削除ボタンを押し、その恥ずかしい過去を抹消させる。
まさか他にも何か録画しているのではないかとトド松のスマホを漁り出す。
「ぎゃ! ちょっと、アンタこの動画やら写真やらいつの間に録ってた訳?! 最悪、変態!! 馬鹿!!」
「うわー、ごっごめんなさーーーい! だって好きな人の可愛い所みたらつい収めたくなるでしょぉ?」
拳を握りトド松を般若の視線で睨むナス子。
好きな人の写真やらを持っていたいと言ってくれる気持ちは嬉しいがほぼ盗撮。
しかもこっちがドジしてるばかりのヤツとか、最中のヤツだとか、納得のいかないものだらけ。
「これも、これも、これも! 削除削除削除削除……!! めんどくせーからこのスマホ風呂に沈めるか」
「えー、ちょっとぼくのコレクション消してかないでよ! 折角集めてたのにっ」
「集めなくって宜しいい!! ず、ずっと一緒にいるんならこんなんいらないでしょ?」