第13章 レンタル彼氏、俺 おそ松side
ど、どうだ?ちゃんとトド松のようにあざとくなってるか?
「おー、ナス子の彼氏って聞いてた通り優しいんだねぇ!」
「……」
答えが浮かばず無言でナス子を見た、よし、一松もできたじゃーん!
「でもナス子こんなに顔青いけど二人共おいてっちゃっていいの?」
あぁ、女神。ジェットコースター苦手って言わなかったコイツが全部悪いってのにナス子の事心配してくれて。
「だっ、ダイジョブダイジョブー!ナス子には俺が付いてるし、二人も二人きりのデートを楽しんできてよぉー」
よし、元気よく言った。十四松ぽくなってるといいけど。
「まぁ、目的のナス子の彼氏紹介してもらえたし!ナス子も折角のデートでおそ松さんと二人きりになりたいだろうしね、楽しんで来なー」
やっぱり女神。
心ちゃんは悪戯っぽく笑って、自分の彼氏の手を引くとそのまま「またねー!」と言って行ってしまった。
「―――――――っは、つっかれたぁあああぁ」
グロッキー女が座ってるベンチに俺もドサリと座り込む。
俺がずっと心ちゃんと喋ってたからか、コイツも少しは回復したらしく、顔色はよくなってきている。
感謝しろよぉー?
「ダブルデートじゃなくなっちゃったねー、それにしても完璧だよおそ松!見直した!!」
その言葉に気持ちが少し有頂天になる俺。
だって相手俺だよー?俺ってばやれば出来る男だしぃ、当たり前じゃーん!
「ふんっ、ようやく俺の凄さがわかったかこのゲロ女め」
「ちょっと、私吐いてはないんだけどぉ?!」
不貞腐れた顔でこっちを見上げてくる。
ダメだ、今日のコイツいつもと全然違うから調子狂うな。
「あーまー、そうなんだけど・・・、で、調子良くなった?」
不貞腐れた顔が一瞬でも可愛く見えたのは女の魔法、化粧ってやつだ。
騙されるな俺、相手はあのナス子だ。