第13章 レンタル彼氏、俺 おそ松side
心ちゃんとその彼氏が乗り込んだ後ろに俺たちも乗り込む。
あーあ、ナス子、どうなってもしんねーぞ。
あ、ダメだ。俺今日コイツの彼氏だった、知らないじゃダメかこれ。この後の介抱は俺かぁ、メンドクセー!!
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「うぅ、気持ち悪い・・・」
ほらな?俺の想像した通りになった。
だからさっき止めてやろうとしたのに、順番来ちゃったもんはしょうがないけどなぁ。
「大丈夫?苦手なら言ってくれれば良かったのにぃ」
「いやー、ハハハ、今日が楽しみで寝不足だったから・・・」
あーあーあー、また余計な気を使って。
この場の空気壊したくないのはわかるけど心ちゃんもこんなに心配してるし可哀想じゃーん!
心配してる心ちゃんも可愛いけどー!!
「ちょっと休んでから次行こうかー」
優しい心ちゃんがナス子に声を掛けてるがナス子は未だグロッキーのまま。
「あー、心ちゃんあのさぁ…」
「ん?なんですか松野さん」
「おそ松でいいよぉ♪」
「じゃぁ、おそ松さんで」
ちょっと呼び捨てされたいとか思ったけど彼氏いるもんな・・・、俺も今日はナス子の彼氏だし諦めよう。
「実は俺たち今日久しぶりのデートでさぁ、出来たらそのぉ・・・二人きりになりたい、なぁとか‥」
「は?!おそ松折角のダブルデートに何言って・・・」
グロッキー女が口を挟むが、心ちゃんは少し考えてから口を開く。
「あぁ!そうだったんだね、おそ松さんは仕事忙しくて中々会えないとかナス子よく言ってたもんなぁ」
「おっとぉ」
でた、仕事の話。
俺は脳を出来るだけ動かし早口でまくしたてる。
「そっそーなんだよねぇ、お兄さん子供に大人気でさぁ!色んな場所点々と駆け回ってるから会いたくっても中々ナス子に会えなくて、寂しい思いもさせちゃったりとかして・・・」
よし、チョロ松やカラ松っぽくできてるか?
「ほんっとごめんなぁ、我儘言って!本当は皆で回った方がきっと楽しいんだろうけど、やっぱ久しぶりに会える時くらいは少しはナス子に喜ぶ事してやりたいんだよねぇ」