第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
しかも、その視線はおそ松だけではなく、何故か六つ子全員から注がれていて少しだけ焦る。
喜び浮かれていたトド松と十四松でさえ、同じ表情でこちらを見ていた。
「な、なに? 私、なんか悪いこと言った、かな?」
「……しばらく、じゃないだろ?」
「え?」
珍しいおそ松の真剣味を帯びた少し低めの声に、不用意にも心臓がドクリと疼く。
「そうだぞナス子……しばらく、なんて……何故そんなことを言うんだ」
おそ松に同調するカラ松に視線を移すと、やはりこちらも真剣な表情。
2人から言われた言葉に、鈍くなっている脳を回転させると、嫌というほどわかっていることのはずなのに、心が痛くなる。
そう、自分を含めた七人での関係は、未来永劫続くものではない。
わかっている。わかってはいるのだが、やはりこうやって言われると辛い。
心が沈みかけたその時、次チョロ松の台詞で顔を上げることになる。
「そうだよ……しばらく、じゃない………ずっと、だろ?」
「え……」
顔を上げると、そこには先ほどとは変わった、呆れたように、だが愛おしそうにこちらを見つめるチョロ松の視線があった。
チョロ松の台詞に、全員が狙ったように深いため息をついて、皆それぞれわざとらし気に首を横に振る。
「まぁーったく、どうしてそうネガティブに考えるかねぇ~俺たちのお姫さんは」
「俺もネガティブさでは負けてないと思うんだけど……今はみんなに同意」
「え、え? な、なにが?」
「相変わらず察しが悪いよねぇナス子は。あのねぇ、ぼく達の中の誰も、この関係を終わらせることなんて考えてないんだよ?」
「そんなことを考えているのはナス子だけだ。まったく困ったネガティブプリンセスだぜぇ」
「ネガティブネガティブ!! 姉さん、あのね、ボクたちは、ずーっと姉さんと一緒にいるよ! みんなで一緒! 死ぬまで! あ、死んでも地獄で一緒に遊ぼうよー!」